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予想通り定時に上がることは不可能だった。
それでも直帰して、なるべく早く帰れるように工夫して。何とか待ち合わせの8時には間に合った。
俺が予約した店は駅から少し離れた所にある蕎麦屋。
駅から離れている分、静かだし、お客さんさんも常連の人しか居ないから安心。
とはいえ、もちろん個室なんだけどね。
店の前で帽子を被って、サングラスを掛けて、肩から鞄を掛けている少し猫背の彼を見つけて駆け寄る。
「お待たせ」
「翔ちゃん！行こいこ、お腹減っちゃった」
俺に気付くと、
サングラスを外してニコリと笑う。
その姿が本当にイケメンで、俺の隣に居る人は本当に二宮和也なんだと感じる。
それに安心して、少しだけ不安になる。
店に入ると直ぐに個室に通された。
注文を終えて軽く一息つき、直ぐに運ばれて来たビールで乾杯する。
「で、どうだった？顔合わせは」
「うーん、どうだろ？監督とも上手くやっていけそうだし大丈夫だと思うけど」
そう言ってビールをまた一口飲んで、
俺を見る。
「共演者の人は？」
「えーそれ聞いちゃう？翔ちゃんてば、それシークレットなやつだよ？」
そう、今現在において公になってるキャストはニノだけ。もちろん、決定はしてるけど発表はまだ先になるらしい。
でも、ここは恋人特権でしょ。
「いいじゃん、教えてよ」
「もぉー翔ちゃんに言われちゃ断れないし」
「うしっ」
運ばれて来たばかりの俺のかけ蕎麦はまだ湯気が立っている。
「俺の兄さんの役でさ、松本潤って俳優さん知ってる？」
「あーあの顔の濃い人」
「それ、どんな認識よ。あ、でね、潤くんとは今日も結構話したよ」
松本潤。
高校生の時に某雑誌モデルをしており、昨年ついに俳優デビューした。演技は上手いし、顔も整ってるから人気は凄まじく今をときめく俳優だ。
「確か歳はニノと変わんないでしょ？」
「そうそう、俺と同い年」
「じゃあ楽しみだなぁ、映画。それに俺も会ってみたいな、松本潤」
「えーそれはワタクシ、嫉妬しちゃいますけど？」
ニノがざる蕎麦をすする手を止めて、
俺をじっと見つめる。
はい、その嫉妬は有難く受け取っておきます。
俺は小さく頷いて、湯気が殆ど消えてしまったかけ蕎麦に向き合う。
「今度、潤くんも誘ってご飯でもしようか？あ、でも潤くんに惚れちゃ駄目だからね」
そう言ってまた蕎麦をすする。
もう、分かってないなぁ。
俺が貴方以外の男に惚れるわけないでしょ。
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未翔(プロフ) - 夜月さん» ありがとうございます！待って頂けていたというだけで嬉しいです。 (2021年4月17日 9時) (
レス) id: b3cb87418b (このIDを非表示/違反報告)
夜月(プロフ) - 更新ありがとうございます。 待ってました！ これからも頑張ってください！ (2021年4月16日 18時) (レス) id: f96e31a6df (このIDを非表示/違反報告)
夜月(プロフ) - コメント返しありがとうございます！ 全然ゆっくりで大丈夫です。 その分読み返したりしてます！ 日々の疲れを忘れることが出来感謝です。応援してます！ (2021年3月28日 22時) (レス) id: 3292546019 (このIDを非表示/違反報告)
未翔(プロフ) - 夜月さん» コメントありがとうございます！更新のペースはゆっくりになるかもしれませんがこれからも続けていく予定ですので、これからも宜しくお願いします！ (2021年3月28日 17時) (レス) id: b3cb87418b (このIDを非表示/違反報告)
夜月(プロフ) - 更新ありがとうございます！いつも楽しく見てました！少しづつでいいのでこれからも更新楽しみにしてます！頑張ってください！！ (2021年3月28日 15時) (レス) id: 3292546019 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：未翔
| 作成日時：2020年8月2日 12時
