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「え？今日から始まるの？」
「そうそう。まぁ始まるって言っても今日は顔合わせだけだから早く帰れると思うけど、翔ちゃんは？」
「んー俺は今日はちょっと遅いかも」
昼出勤だった俺は仕事始めが午後からだと言うニノと少し遅めの朝食をとっていた。
ニノは映画の初顔合わせらしい。
だから3時間ほどで終わる予定で、俺はと言えば今日は少し離れた支店に挨拶に行かなくてはならず、どうにも定時で上がれそうにない。
「なら久しぶりに外食でもする？」
「えっ！で、でも外でご飯って言ったって」
思わぬ提案に浮き上がる心を抑えながら何とか冷静な俺を呼び戻す。
付き合い始めた当初から出来るだけ外食は控えていた。マスコミにバレる可能性があったし、たまに行くのも個室がある店に限る。
「予約は翔ちゃんに任せます。俺は食べれたら何でも大丈夫なんで」
そう言ったニノは皿洗いをしていたキッチンからソファーに移動して寝っ転がる。
確かにニノは食事に関しては余りこだわりを持たない。だから店を決めたりメニューをリクエストするのはいつも俺。
ニノに「何がいい？」と聞いて返ってくるのは「ハンバーグ」の一言だけだから。
「翔ちゃん」
ふと名前を呼ばれて振り返れば、ニノの手が俺の頬に触れていた。
突然の事に戸惑いつつも至近距離で彼を見つめられる絶好のチャンスに密かに喜んでいる自分がいた。
でも、いつまでもそうして居られる訳でもない。
「なんですか？いきなり」
素直になれない俺は少し突き放した口調で返す。
「ふふっホントに。翔ちゃんは分かりやすいんだからそんなすぐバレる嘘、やめた方がいいよ」
「へ？」
「嬉しかったクセに」
ドSか。
そう心の中で密かにツッコミを入れる。
先程まで頬に触れていた手がゆっくりと肩に降りていく。それと同時に優しい温もりも肩へと移動する。
そのまま、ゆっくりとその手を下ろそうとするニノの手を慌てて止める。
「ちょ、翔ちゃん！」
ニノは少し寂しそうに、いや、不貞腐れているようにも見えたけど。流石に出勤前には。
でも、ニノは俺が嫌がる事はしない。
そして、それは出会った時から。
「ごめん翔ちゃん。朝っぱらから。お仕事だもんね。さぁ頑張って来て！」
「うん。終わったら連絡する。ちゃんと予約しとくから、また夜に」
寂しいのを我慢してまで、笑顔を作ってくれている事を知っているから決してそれを無駄にはしない。
それがニノの優しさだから。
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未翔(プロフ) - 夜月さん» ありがとうございます！待って頂けていたというだけで嬉しいです。 (2021年4月17日 9時) (
レス) id: b3cb87418b (このIDを非表示/違反報告)
夜月(プロフ) - 更新ありがとうございます。 待ってました！ これからも頑張ってください！ (2021年4月16日 18時) (レス) id: f96e31a6df (このIDを非表示/違反報告)
夜月(プロフ) - コメント返しありがとうございます！ 全然ゆっくりで大丈夫です。 その分読み返したりしてます！ 日々の疲れを忘れることが出来感謝です。応援してます！ (2021年3月28日 22時) (レス) id: 3292546019 (このIDを非表示/違反報告)
未翔(プロフ) - 夜月さん» コメントありがとうございます！更新のペースはゆっくりになるかもしれませんがこれからも続けていく予定ですので、これからも宜しくお願いします！ (2021年3月28日 17時) (レス) id: b3cb87418b (このIDを非表示/違反報告)
夜月(プロフ) - 更新ありがとうございます！いつも楽しく見てました！少しづつでいいのでこれからも更新楽しみにしてます！頑張ってください！！ (2021年3月28日 15時) (レス) id: 3292546019 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：未翔
| 作成日時：2020年8月2日 12時
