＊必然 ページ26
［side.N]
翔ちゃんは俺との出会いを奇跡的だと言う。
きっとそう信じて疑わないのは
この世界に翔ちゃんしかいないと思う。
誰だって違和感を感じるはずなのだから。
・
「ねぇこの後の取材って俺一人だっけ？」
「そうだけど、どうかした？」
「いや、何かそれっぽい人が居たから」
主演ドラマの宣伝を兼ねて
つい先程まで出演していたバラエティ番組。
そして、この後は雑誌のインタビュー。
ちなみにデビューしてからずっと
俺のマネージャーは変わっていない。
騒がしくて馬鹿で何言ってんのか分かんない事も日常的だしマネージャーという職は絶対的に向いてない。
でも俺のマネージャーが務まるのはこいつしかいない。
「それっぽいって？」
インタビューの部屋に移動する為に局内の廊下を歩いている時にすれ違ったのだ。
「オーラがあるっていうか、さ」
「局の中だからでしょ。そりゃ奇麗な人もニノちゃん好みのオンナの子もわんさんかいるんじゃない？」
「オンナじゃねぇっての」
「え？男の人だったの？」
何の躊躇いもなくドストレートに聞いてきた相葉氏のピュアさを痛感しつつ、素直に頷く。
「えー俺も見たかったなぁ。ニノちゃんの気になる人」
「……気になる人って」
「でも実際に気になってんでしょ？」
言い返せないのが悔しい。
・
「どんな人だったの？特徴とかないの？」
「すれ違っただけだし。
ていうか、もういいだろ？この話」
取材を終えて楽屋に戻ってくるなりまたこの話だ。
それほど興味があるのだろうか。
「俺が協力してあげるから。頑張ってみなよ」
「…協力って」
「はい、特徴言ってみな」
相変わらず一人で勝手に盛り上がるんだから。
でも悪くないか、たまには。
「特徴がないんだよなぁ」
「強いて言えば」
「撫でてたかな、肩」
俺がそう言えば、さっきまで触っていた座布団を頭の上に持ち上げて「まじ？それすっごい特徴じゃん！」と嬉しそうに言う相葉氏。
たった一つの特徴でそんなにテンションが上がるあんたを尊敬するわ。
「なで肩かぁ。安心して、絶対俺が見つけるから」
「あなた探偵でしたっけ？」
「とにかく任せてって」
自信に満ちている表情の彼に嫌な予感しかしない。
「どうかした？」
楽屋を出て直ぐに足を止めた俺を不思議そうに見る相葉氏。
やっぱりあんたはミラクルを起こす人だ。
「……あの人、ほらスーツのあの人」
俺らの前には特徴のない彼が歩いていた。
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未翔(プロフ) - 夜月さん» ありがとうございます！待って頂けていたというだけで嬉しいです。 (2021年4月17日 9時) (
レス) id: b3cb87418b (このIDを非表示/違反報告)
夜月(プロフ) - 更新ありがとうございます。 待ってました！ これからも頑張ってください！ (2021年4月16日 18時) (レス) id: f96e31a6df (このIDを非表示/違反報告)
夜月(プロフ) - コメント返しありがとうございます！ 全然ゆっくりで大丈夫です。 その分読み返したりしてます！ 日々の疲れを忘れることが出来感謝です。応援してます！ (2021年3月28日 22時) (レス) id: 3292546019 (このIDを非表示/違反報告)
未翔(プロフ) - 夜月さん» コメントありがとうございます！更新のペースはゆっくりになるかもしれませんがこれからも続けていく予定ですので、これからも宜しくお願いします！ (2021年3月28日 17時) (レス) id: b3cb87418b (このIDを非表示/違反報告)
夜月(プロフ) - 更新ありがとうございます！いつも楽しく見てました！少しづつでいいのでこれからも更新楽しみにしてます！頑張ってください！！ (2021年3月28日 15時) (レス) id: 3292546019 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：未翔
| 作成日時：2020年8月2日 12時
