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どれだけ時間が経ったのだろう。
「いいよ、貴方に俺の未来をあげる」
気付けば自分でも信じられないような事を口走っていた。少しの後悔もなく丸いその目をしっかりと見つめて告げた。
彼がキュッと口角を上げる。
「翔ちゃんならそう言ってくれると思ってた。じゃあ今日から翔ちゃん家に引っ越そ。宜しくね、翔ちゃん」
そう言って鍵を開けて隣の部屋に入って行ったかと思えば、キャリーバッグを引っ張りながら戻って来た。
「ね、まさか荷物それだけ？」
「そうですけど？なにか？」
「いや、別に」
大の大人が引越しでキャリーバッグだけとは信じ難いが、鍵を締めて満足そうに俺を見るその顔はいかにも嘘をついているとは考えられなかった。
とにかく彼を家に上げて使っていない空き部屋に案内する。
「あんまり綺麗じゃないけど、好きに使って」
「ありがと。でも、いいの？」
「今は使ってないから。それに貴方なら必要でしょ？」
あまり芸能界という世界に詳しくない俺でも知っている男だ。それなりの部屋も必要だろう。
「あーぁ」
「ん？なに？」
急に不機嫌な声を出しずっしりとした椅子にドカっと腰を下ろすとクルクルと回りながら俺を見る。
「翔ちゃん、俺の事も名前で呼んでよ。ニノって」
その可愛らしい願いが俺にとっては結構恥ずかしいもので、少しだけ躊躇してしまう。
すると、ふふっと笑って椅子から立ちあがると彼は俺を抱き締めた。
背格好からすれば彼が抱き着いているようなものなのに、腰に回された優しい手は明らかに俺が抱かれている事を示していた。
「いいよ、無理に頑張んなくていい。俺はこうして翔ちゃんの傍に居られるだけで十分幸せだよ」
何度も撫でられる背中は少しだけ擽ったくて、その感覚が俺にとっても堪らなく幸せだった。
そして、この瞬間に俺は分かった。
「ありがと、ニノ。俺もニノの事が好き。もっともっと知りたい。傍に居たい」
「嬉しい事言ってくれるなぁ。もう、翔ちゃんのせいで幸せ過ぎてどうかしちゃいそう」
ふわりと香るニノの香りは優しい甘さで、つい自分から強くその体を引き寄せる様にハグを求めた。
出会って僅か3日。
まだ彼の事は何一つ何も知らない。
ただ俺が好きになってしまったのは映画やドラマの主演を数多くこなす一流俳優、二宮和也だということ。
そして、俺は二宮和也という男と共に恋に落ちたのだ。
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未翔(プロフ) - 夜月さん» ありがとうございます！待って頂けていたというだけで嬉しいです。 (2021年4月17日 9時) (
レス) id: b3cb87418b (このIDを非表示/違反報告)
夜月(プロフ) - 更新ありがとうございます。 待ってました！ これからも頑張ってください！ (2021年4月16日 18時) (レス) id: f96e31a6df (このIDを非表示/違反報告)
夜月(プロフ) - コメント返しありがとうございます！ 全然ゆっくりで大丈夫です。 その分読み返したりしてます！ 日々の疲れを忘れることが出来感謝です。応援してます！ (2021年3月28日 22時) (レス) id: 3292546019 (このIDを非表示/違反報告)
未翔(プロフ) - 夜月さん» コメントありがとうございます！更新のペースはゆっくりになるかもしれませんがこれからも続けていく予定ですので、これからも宜しくお願いします！ (2021年3月28日 17時) (レス) id: b3cb87418b (このIDを非表示/違反報告)
夜月(プロフ) - 更新ありがとうございます！いつも楽しく見てました！少しづつでいいのでこれからも更新楽しみにしてます！頑張ってください！！ (2021年3月28日 15時) (レス) id: 3292546019 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：未翔
| 作成日時：2020年8月2日 12時
