＊好きな人 ページ19
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ニノを仕事に送り出して、
俺も早々に家を出た。
今日は外回りを終えたら、智くんこと先生のご自宅に伺う予定になっている。
今は先生の編集者でも何でもないのだが、今度の映画のタイアップの話を進めなければならないのだ。
ニノも公開に向けて今は絶賛撮影中だし、世の中にはまだまだ言えない秘密だ。
「おつかれ」
「お疲れ様です。あ、これお土産です」
「いつもごめんねーあっ翔くんの好きなシュークリーム用意してるから食べてってよ」
玄関を上がるなり
俺の背中を押して早く早くと急かす。
こう見えて智くんは誰にでもこういう態度を取るわけではない。
智くん曰く、初めて会った瞬間にその人がどんな人かが分かるらしい。
"翔くんは可愛い顔してるし、優しいし"
"可愛くはないですけど、優しいって初対面じゃそんなの分からないじゃないですか"
"優しい雰囲気なの。
翔くんはそんなオーラが出てんだから"
だから、俺から新しい編集者さんに代わった時はたいそうごちゃごちゃしたらしい。
面と向かって気に入らないと言うならまだしも、殆ど言葉を交わさないらしい。
仕事の話を終えて、リビングにて紅茶を頂きながら先生イチオシのシュークリームを頬張る。
俺がシュークリームを好きだという情報は恐らくニノから聞いたのだろう。
なんだかんだニノとはメル友なのだ。
「ほぉそりゃ悪い夢だな。
だって翔くん働きすぎだもんなぁ」
今朝の夢の話をすればこの反応。
「それ関係あります？」
「だってそれぐらいしか考えらんねぇだろ？あとは、よっぽどニノの事で頭がいっぱいなのか」
それは恥ずかしくて否定も肯定もできない。
慌てて紅茶を流し込んで話題を変える。
「先生は居ないんですか？」
「なにが？」
「ほら、好きな人とか」
出会った当初はこんな野暮な質問をストレート聞けるとは思ってもみなかったが、今となってはこの仕事をする上でこの人ほど頼りになる人はいない。
「そりゃいるのはいるけど、さ」
一度腰を浮かして体勢を立て直す。
言葉を濁しているのか、
口元は少し左右に揺れている。
「ここまで聞いといて相手のこと聞かねぇのか？」
「聞いて欲しいんですか？」
「いや、そういうとこ翔くんらしいなぁと思ってさ。分かってんだろ、俺の好きなやつのこと」
ふっと視線を逸らす。
そう、俺は知っている。先生の好きな人を。
彼に初めて会った時の智くんの
トキメク瞳を。
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未翔(プロフ) - 夜月さん» ありがとうございます！待って頂けていたというだけで嬉しいです。 (2021年4月17日 9時) (
レス) id: b3cb87418b (このIDを非表示/違反報告)
夜月(プロフ) - 更新ありがとうございます。 待ってました！ これからも頑張ってください！ (2021年4月16日 18時) (レス) id: f96e31a6df (このIDを非表示/違反報告)
夜月(プロフ) - コメント返しありがとうございます！ 全然ゆっくりで大丈夫です。 その分読み返したりしてます！ 日々の疲れを忘れることが出来感謝です。応援してます！ (2021年3月28日 22時) (レス) id: 3292546019 (このIDを非表示/違反報告)
未翔(プロフ) - 夜月さん» コメントありがとうございます！更新のペースはゆっくりになるかもしれませんがこれからも続けていく予定ですので、これからも宜しくお願いします！ (2021年3月28日 17時) (レス) id: b3cb87418b (このIDを非表示/違反報告)
夜月(プロフ) - 更新ありがとうございます！いつも楽しく見てました！少しづつでいいのでこれからも更新楽しみにしてます！頑張ってください！！ (2021年3月28日 15時) (レス) id: 3292546019 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：未翔
| 作成日時：2020年8月2日 12時
