死ぬ前までにやりたい10のこと。 [死ネタ/歌い手] (ページ6)

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ガララッ

また今日も、病室の扉が開く。

「A！ほら！見て！」

お母さんはそう言って、バックを開けた。

顔をひょこっと覗かせると、そこには大量のいちごが。

『わ、ぁ…こんなに大量のいちごどうしたの？』

「Aちゃん、いちご狩り行けないから代わりにお母さんが行ってきたの。
ほら！だからいちご狩り行けない代わりといっちゃなんだけど、いっぱい食べて！」

そう言って、お皿にいちごを盛りつけ始めた。
あっというまに、お皿は赤色に染まる。

お母さんは、いちごを一つ、手に取ってヘタを取る。
そして、口の中に放り込んだ。

「ん～あまぁい～～」

お母さんは、頬を抑えながら頬を緩めている。

『全く…』

私は、お母さんが美味しそうに食べているところを横目にヘタを取って、口に放り込んだ。

『！美味しっ！』

「でしょでしょ！めっちゃ美味しい！」

お母さんは、私が言った事に喰いついてくる。

『…けど、世界にはこんなに甘い食べ物があったんだねぇ』

「だね」

お母さんと一緒に、いちごを食べながらのほほんと会話をする。
あっという間に、いちごを二人で平らげてしまった。

『美味しかったね』

「ね」

『今度は私、なし食べたいなぁ』

「ならそれまでに頑張って生きてなくちゃね」

『そうだね』