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選択授業の美術の時間に自由にテーマを考えろと言われ静かになった室内には鉛筆を動かす軽い音とどこからか声が聞こえている。それに対して美術の先生は何も言わず皆の絵を見て回っていた







『わぁ、誰?この人』







描いてる絵に見惚れてしまう。それよりも彼が手に持ってるスマホの中には綺麗な女性が写っていたのだ。その人を紙に写真通り描く彼は画家のようだった。私の問いかけにジョングクは手を止めて、母親だよ、と言う。ジョングクのお母さんってこんなに美人さんだったんだ。







『なんか...ジョングクのお母さんって言われても納得しちゃう』


「なんだそれ」


『だって綺麗なんだもん』







遠回しにジョングクもそうだと言ったつもりだったのだが惜しくも彼には届かなかったみたいだ。私の声が聞こえなかったとでも言うように止まっていた手を動かすジョングクに釣られて私も鉛筆を握り直した。でも何を描けばいいのかわからない。







そう言えばこの前見た桜が綺麗だったな。自分の記憶の中にある花の木を思い出しながら線をひいていく。私には絵のセンスが無いに等しい、どんどん仕上がって行くのは見るからに簡単で、小学生が描くようなものだった。







「...桜?」


『ん?...まぁ、うん』


「好きなの?」


『好きっていうか、この前見た桜が頭から離れなくてさ。...もしかして私にはこんな花似合わないとか思ってる?』







まただ。彼は眩しそうに目を細めて私を見る。何を思ってるのか分からないから不安になってくる。その不安をジョングクに聞いてみた。すると驚いた表情で、まさか、と肩を揺らすのだ







「似合ってるよ」


『...桜が似合う女の子って儚げなイメージなんだけど』


「うん。それがAのイメージだから言ってるんだよ」








自分の体が熱くなっていくのを感じる。阿呆みたいな顔をした私を見てジョングクは口元がほころんでいた。心なしか彼の耳が赤くなってるのは私の見間違いではないだろう。それから先生が来るまでお互い顔を見合わせたままだった









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設定タグ:防弾少年団 , BTS , ジョングク
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Labia(プロフ) - 1ちゃんさん» ありがとうございます。 更新致しましたので、是非見ていってください^ ^ (2020年8月18日 19時) (レス) id: d89ca10c87 (このIDを非表示/違反報告)
1ちゃん - あ"あ"あ"あ"あ"あ"あ"あ"あ"(泣)更新楽しみにしてます…(泣) (2020年8月13日 7時) (レス) id: 43879a9f7a (このIDを非表示/違反報告)
Labia(プロフ) - 1チャンさん» ありがとうございます!もっと1チャンさんをそのような気持ちにできるよう書いていきますね...!更新お待たせしないよう、頑張っていきます^ ^ これからも、『おやすみわたしの愛しき太陽』をよろしくお願いします! (2020年7月13日 19時) (レス) id: d89ca10c87 (このIDを非表示/違反報告)
1チャン - Labiaさん» 読んでいてとても心が綺麗な気持ちになります(泣)更新楽しみにしてます! (2020年7月12日 14時) (レス) id: 43879a9f7a (このIDを非表示/違反報告)
Labia(プロフ) - なむさんさん» 文章が綺麗...嬉しすぎるお言葉ですね(;_;)私がお話を作るにあたって意識している部分です。素敵な作品と言っていただいて恐縮です!私の想像で出来上がった物語ですか更に素敵な作品だったと思っていただけるように頑張ります!素晴らしいコメントありがとうございます (2020年6月14日 2時) (レス) id: d89ca10c87 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:iris | 作成日時:2020年5月13日 6時

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