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6-11 ページ29

彦田さんと陸王について話していると直から声がかけられた


「Aさん」


直に名字で呼ばれるのは付き合う前以来で少し緊張する


「はい?」


と言って彦田さんの手を離し振り向く


「テーピングお願いしてもいいかな?」


「はい」


「じゃあ俺練習戻るね」


私の肩に手を置き、そう言った彦田さんはストレッチをしに芝生に向かって歩いていった


「あっちのベンチでやろっか」


「うん」


そして私たちは競技場から少し離れたベンチに向かう


「どこテーピングする?」


「え?」


「え?」


驚いた声を上げる直を不思議に思い見上げる


「考えてなかった。足首?あ、いや、膝かな」


「なにそれ」


と言って私は笑い、膝にゆっくりとテーピングを巻いていく


「A」


「んー?」


「あんまり他の男と仲良くしないでね」


「直?」


思いがけない言葉に顔を上げる


「Aは、俺のだから。手を握っていいのも俺だけ」


そう言って直はテーピングをしている私の手に、自分の手を重ねる


「やっぱりAがアジア工業のマネじゃなくてよかったかも」


「なんで?」


「Aばっかり見ちゃって全然練習に集中出来ない」


「ちゃんと練習しなさい」


「はい」


なんて話をしていふとテーピングが終わる


「はい、終わり!練習頑張ってね」


「ありがとう」


そう言って直が立ち上がるので、私も立つ


「違和感ない?」


「ないよ。大丈夫」


「よかった」


「ちょっと来て」


直は私の腕を掴み、トレセンの中に入る


「ちょ、ちょっと直!?」


入口のところにある自販機の影に隠れ、直は私の顔の横に手をつく


「直?」


「キスしよ」


「え?」


「キスしよ」


直は私の耳元で囁く


「何言ってんの、はやく競技場戻ろ」


そう言って直の胸を押すが、その手を握られ壁に押し付けられる


「誰か来ちゃうって」


「大丈夫」


全然大丈夫じゃない、そう言おうとしたが直に唇を塞がれ発することは出来なかった


その後ゆっくりと唇が離れる


「ばか」


「ごめん。俺先に戻るから、落ち着いたら来て。そのままの顔で来ないでね」


そう言って直は先に競技場に戻ってしまった


直のそのままの顔の意味がわからず、鏡で見ると何かありましたと言わんばかりに真っ赤だった


「もう、直のばか…」


と言ってその場にしゃがみこむ

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れな(プロフ) - ゆうにゃさん» ありがとうございます!ゆっくりな更新になってしまうと思いますが、これからもよろしくお願いします! (2018年1月13日 21時) (レス) id: 607cd69f3f (このIDを非表示/違反報告)
ゆうにゃ(プロフ) - すごく面白いです!続きが楽しみです!更新大変だと思いますが、応援してます! (2018年1月4日 0時) (レス) id: 76af58504e (このIDを非表示/違反報告)
れな(プロフ) - 陸王最終回号泣さん» コメントありがとうございます!これからもよろしくお願いします! (2017年12月30日 17時) (レス) id: 607cd69f3f (このIDを非表示/違反報告)
陸王最終回号泣 - めっちゃ面白いです これからも更新楽しみにしています! (2017年12月28日 13時) (レス) id: 537ffb3acd (このIDを非表示/違反報告)
れな(プロフ) - ぽんすさん» コメントありがとうございます!これからも頑張りますので、よろしくお願いします! (2017年12月28日 12時) (レス) id: 607cd69f3f (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:ひな | 作成日時:2017年12月11日 3時

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