5-5 ページ10
数日後の練習中ストレッチをしている裕人に近づく
｢どうよ？R�兇蓮�最高やろ｣
佐山さんの真似をして裕人に声をかけると裕人はため息をついた
｢やめろ｣
私は笑って裕人の靴に触れる
｢問題ない？｣
｢あぁ。でもどっちを履くかはまだ決めてない｣
｢そっか｣
｢ギリギリまで、どっちが合うかちゃんと考えて決めることにした｣
｢うん｣
そう言って顔を上げると宮沢さんたちがいた
｢あれ？｣
声を上げた私の視線の先を辿った裕人は宮沢さんたちの方へ近づいていったため、私も一緒に行く
｢これが、今の我々に出来る全てを注ぎ込んだ完全な陸王です。ぜひ、試してみてください｣
｢ありがとうございます｣
裕人はお礼を言って宮沢さんから陸王を受け取る
｢アッパーの強度は上がっている。前のものよりはるかに安定感が得られるはずだ。履いてみろ｣
｢はい｣
村野さんに靴紐を結んでもらって裕人は立ち上がる
｢走ってみてもいいですか？｣
｢もちろんだ｣
陸王を履いて走る裕人は本当に楽しそうで、思わず笑みがこぼれる
そんな私を宮沢さんは不思議そうに見ていた
｢Aさん？｣
｢あ、すみません。陸王を履いて走る裕人の表情は陸上を始めた頃の表情にそっくりなんです。野球を諦めて、陸上に希望を持ち始めた裕人にそっくりなんです｣
｢そうなんですか…｣
と言って宮沢さんは嬉しそうに笑った
そして１周走り終えた裕人が戻ってきた
｢どうだ？｣
｢なんなんですか？この靴は。あぁ、なんて言ったらいいか。こんなにも気持ちのいいシューズは初めてなんですよ。本当に最高のシューズだと思います｣
｢よかった｣
｢でも…すみません。俺はまだ…｣
｢いいんです。村野さんから聞いてますから。ショックじゃないと言ったら嘘になるけど、みんなと相談して決めたんです。茂木さんがどんな決断をしても、俺たちは茂木裕人を応援する｣
その言葉を聞いてやっぱり宮沢さんは素敵な人だな、と思った
｢おい、あれあれ｣
宮沢さんにそう言われて大地くんは慌ててリュックから何かを取り出す
｢あ、息子の大地です｣
｢あ、君が…｣
と言って裕人が横目で私を見てきたので、目でこっち見るなと伝えた
｢これ、会社のみんなからです｣
そう言って大地くんは裕人に袋を渡す
｢ありがとうございます｣
と言って裕人が中身を出すと、みなさんからのメッセージが書いてある足袋が入っていた
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 128人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
れな(プロフ) - ゆうにゃさん» ありがとうございます！ゆっくりな更新になってしまうと思いますが、これからもよろしくお願いします！ (2018年1月13日 21時) (
レス) id: 607cd69f3f (このIDを非表示/違反報告)
ゆうにゃ(プロフ) - すごく面白いです！続きが楽しみです！更新大変だと思いますが、応援してます！ (2018年1月4日 0時) (レス) id: 76af58504e (このIDを非表示/違反報告)
れな(プロフ) - 陸王最終回号泣さん» コメントありがとうございます！これからもよろしくお願いします！ (2017年12月30日 17時) (レス) id: 607cd69f3f (このIDを非表示/違反報告)
陸王最終回号泣 - めっちゃ面白いです これからも更新楽しみにしています！ (2017年12月28日 13時) (レス) id: 537ffb3acd (このIDを非表示/違反報告)
れな(プロフ) - ぽんすさん» コメントありがとうございます！これからも頑張りますので、よろしくお願いします！ (2017年12月28日 12時) (レス) id: 607cd69f3f (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：ひな | 作成日時：2017年12月11日 3時
