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私たちは控え室でストレッチをしながらテレビを見ていた
テレビの中では1区の内藤さんがいいペースで走っている
「内藤さん、頑張れ頑張れ」
そして内藤さんは4位でオリュクさんにタスキを渡す
「オリュクさん落ち、落ち着いて!」
「お前よりオリュクさんの方が落ち着いてる」
「試合中だよ、静かに」
「なんだお前」
オリュクさんは1つ順位を上げ、3位で川井さんにタスキを渡した
4区立原さんにタスキが渡ると、やはり足の付け根の痛みが気になって、どうか痛みが出てきませんようにと祈る
しばらくすると立原さんが足の付け根を気にしだして、急に減速してしまった
「立原さん…」
「立原さん頑張れ」
その後立原さんはどんどんと順位を下げていった
痛みのせいで顔を歪ませながら懸命に走る立原さんを見ていたら涙が滲んできた
「私がもっとはやく気づいていたら…」
そう言うと肩に裕人の手が乗る
「お前のせいじゃないって、大丈夫。ちゃんと応援しろ」
裕人にそう言われ、立原さんから視線を逸らすことなく応援した
立原さんは8位で水木さんにタスキを渡し、倒れ込んだ
それを見て私たちは立ち上がる
「裕人、そろそろアップに行こう」
「おう」
外へ向かいながら私は裕人に話しける
「少しは緊張もしてるかもしれないけど、大丈夫、いつも通りの走りをすれば絶対絶対大丈夫だから。だから、頑張れ」
そう言って振り向くが裕人はいなかった
「はあ?」
周りからのあの人一人でしゃべってるという目に耐えられなくなった私は駆け足で控え室に戻る
「ちょっと裕人!!私今一人でしゃべってた…」じゃん、と続けようとしたが控え室の中で裕人と直が対峙していたので、言葉を飲み込む
私の声に反応した2人は私に視線を移した
すると裕人は私の方に向かって歩き出し、「行くぞ」と言って私の肩を抱いて廊下に出る
直が気になって振り返るが、睨むように裕人を見ていた
そして裕人がアップに行ったあと私は水木さんを迎える準備していた
準備を終え、外に出ると強風に煽られる
「風強い」
そう独り言を言いながらストレッチをしている裕人に近づく
「風が出てきたね」
「そうだな」
「向かい風」
そう言うと裕人は分かってる、というように頷く
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れな(プロフ) - ゆうにゃさん» ありがとうございます!ゆっくりな更新になってしまうと思いますが、これからもよろしくお願いします! (2018年1月13日 21時) (レス) id: 607cd69f3f (このIDを非表示/違反報告)
ゆうにゃ(プロフ) - すごく面白いです!続きが楽しみです!更新大変だと思いますが、応援してます! (2018年1月4日 0時) (レス) id: 76af58504e (このIDを非表示/違反報告)
れな(プロフ) - 陸王最終回号泣さん» コメントありがとうございます!これからもよろしくお願いします! (2017年12月30日 17時) (レス) id: 607cd69f3f (このIDを非表示/違反報告)
陸王最終回号泣 - めっちゃ面白いです これからも更新楽しみにしています! (2017年12月28日 13時) (レス) id: 537ffb3acd (このIDを非表示/違反報告)
れな(プロフ) - ぽんすさん» コメントありがとうございます!これからも頑張りますので、よろしくお願いします! (2017年12月28日 12時) (レス) id: 607cd69f3f (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ひな | 作成日時:2017年12月11日 3時