陸王

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後日監督とトレセンを歩いていると後ろから｢城戸監督！｣と声がかかったため二人で振り向くと若い女性がいた


｢月間アスリートの島です。いつもお世話になっております｣


｢あぁ、どうも｣


監督と挨拶をすると私の方に視線が映る


｢えっと…｣


｢あ、初めまして！4月から陸上部のマネージャーをしていますAAと申します｣


｢月刊アスリートで陸上競技担当をしています島遥香と申します。よろしくお願いします｣


｢よろしくお願いします｣


そう言って私たちは名刺交換をする


｢今度新生実業団ランナーの対談の特集を組むことになったんです｣


｢はい｣


｢そこでアジア工業の毛塚さんと御社の茂木さんの対談をお願いできないかと思いまして｣


その言葉を聞いて私は監督の顔を見る


｢まぁ、うちとしては茂木がよければ全然構わないけど｣


｢本当ですか？ありがとうございます！では後ほど茂木さんとお話させていただきます｣


｢よろしくお願いします。じゃあ｣


と言って監督は歩き出したので私も｢よろしくお願いします！｣と頭を下げて監督のあとを追う


｢毛塚と対談かぁ。あの二人ってどんな話するんですかね｣


｢さぁな｣


｢好きな筋トレとか？将来の目標とか？あとは…｣


｢うるせえ｣


その後裕人と直の対談が決まり、あとは日程調整のみとなってから数日後、私と凛は一緒にお昼を食べていた


｢じゃーん｣


そう言って凛は私の目の前に直のページを開いた雑誌を持ってくる


｢ちょっと｣


｢人気者じゃん毛塚。やっぱ顔だけはいいわ｣


そう言いながら凛は雑誌をめくる


｢この前から思ってたけど顔だけはってやめてくれる？｣


｢今度茂木と毛塚対談するんでしょ？なんの話するの？Aの話？｣


｢ばかなの？｣


なんて話をしていると平瀬さんの声が聞こえてきた


｢ルーキーはお前だけじゃないってことしっかりアピールしてこいよ｣


そう言って平瀬さんと裕人は私たちの反対側のテーブルに座ったので声をかける


｢お疲れ様です｣


｢おー、お疲れ｣


すると裕人の携帯が鳴る


｢もしもし。あー、どうも。あの、対談の日程決まりましたか？見送り？えっと、どうしてですか？｣


裕人のそんな声が聞こえてきて、凛と顔を合わせる


｢折り合いっていうのはどういう意味ですか？…俺じゃ釣り合わないってことですか？｣


そう言って裕人は電話を切る

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