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その日の夜
直と一緒に家で夜ご飯を食べる予定だったので、ご飯を作りながら直の帰りを待つ
「なんて言えばいいんだろ…」
正直に言うべき?
でも正直に言ったら逆の立場だったらやだし…
なんて考えていると玄関の鍵が開く音がしたため、玄関に向かう
ドアが開くとジャージ姿の直がいた
「おかえり」
「ただいま」
そう言って直は荷物を起きながら「今日さー」と今日あった話をしていたが、うまく聞くことが出来なかった
「A?」
「あっごめん」
「何かあった?」
心配そうに私の顔を覗き込む直に余計罪悪感が募る
「日曜なんだけど、」
「うん。行きたいところ決まった?」
「ごめん、仕事が入っちゃって…」
「仕事?そっか…じゃあ仕方ないね。別の日にしよっか」
そう言って候補日をあげていく直に心の中で何度も謝る
直に嘘をついてしまった
「直、ごめんね」
「大丈夫だって!あー、腹減った」
「ご飯、もうすぐで出来るからちょっと待ってて」
「分かった」
そう言ってソファーに向かう直の後ろを見て息を吐く
ばれてない、よね?
毛塚side
家に着いてからなんとなくAの様子がおかしいなとは思ってたけど、まさかそんなことだったとは
楽しみだったけど仕事じゃあ仕方ないなぁと思って携帯をいじり始めると、テーブルの上に置いてあるAの携帯が鳴った
振り向いてAを見てみると、音には気づいていないようだった
心の中でごめんと謝りながら携帯を覗き込むとそれはAの幼馴染からで
裕人お疲れ!日曜なんだけど、とりあえず競技場集合で!そのあとロードワーク行こうと思うから、お前久々にチャリでついて来いよ!どうせ運動不足だろ?
先に決めてあった俺との約束を破ってまで茂木との約束を優先したAに多少の怒りを覚える
立ち上がりゆっくりとAの元まで向かい、背後からそっと抱きしめる
「わっびっくりした!どうしたの?」
そう言って前に回った俺の腕をポンポンと叩く
「仕事って、なんの仕事?」
「次の大会に向けてタイムまとめたりとか、事務作業だよ。監督にずっとやれやれって言われてたんだけど、さすがにやらなすぎて怒られた」
早口でそう言うAに「そっか。頑張ってね」と言って首元に顔を埋める
どうが茂木がこれを見ますように、そう思いながらキスマークをつける
Aが俺に嘘をついた
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れな(プロフ) - えさん» クールのクの字もない毛塚ですが、今後ともよろしくお願いします!(笑)私も気になります毛塚と付き合うまでの話…(笑)私にかけるか不安ですが考えてみます! (2017年12月11日 18時) (レス) id: 607cd69f3f (このIDを非表示/違反報告)
れな(プロフ) - 湖泊さん» 最高の作品とのお言葉、とても嬉しいです(; ;)これからもよろしくお願いします! (2017年12月11日 18時) (レス) id: 607cd69f3f (このIDを非表示/違反報告)
え - れなさん» 思いつきました!回想みたいなかんじで主人公と毛塚が付き合うまでのお話をぜひ読みたいです。ご検討お願いします。 (2017年12月9日 21時) (レス) id: 132dc564f2 (このIDを非表示/違反報告)
え - れなさん» 弱気な毛塚すごいよかったです!原作でも詳しくは描かれてないとのことでしたので難しいかと思いますがぜひまだまだ見たい気持ちでいっぱいです。ありがとうございます!厚かましくリクエストなんてすみません。また思いつきましたら書かせていただきます。 (2017年12月9日 9時) (レス) id: 132dc564f2 (このIDを非表示/違反報告)
湖泊(プロフ) - れなさん» 最高の作品です!いえいえ! (2017年12月9日 1時) (レス) id: 7c2244ffc6 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ひな | 作成日時:2017年11月8日 22時