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その後、裕人はミズノのシューズを履き、フォームのことなんて考えずにガムシャラに走り続けていた
見てられなくなった私は裕人の腕をつかむ
「裕人!」
「なんだよ!」
「ちょっと休憩しなよ。ね?あっちでストレッチしよ?」
「休憩なんかいらない」
「ちゃんと休まないと怪我が悪化するって」
「俺の足のことは俺が一番わかってるからほっとけよ」
「でも、」
「マネージャーのお前に!選手の気持ちなんかわからないだろ!ほっとけよ!」
そう突き放したように言われ、掴んでいた腕を離した
「ごめん」
そう言うと裕人は私を見ることなく、また走りを再開した
目に涙を浮かべトラックの外に出ると平瀬さんと立原さんが心配そうな顔で隣に来てくれた
「Aちゃん…」
「大丈夫?茂木もいっぱいいっぱいなんだよ。気にしなくていいって」
「ごめんなさい。私も止められませんでした」
無理に笑顔を作ってそう言うと村野さんが隣に来たのがわかった
「あいつまたか」
「いくら止めても聞かなくて」
「監督…」
監督が裕人を見ているのに気づき、救いを求めるように監督を見つめていると視線に気付きこちらをちらっと見たがまたすぐに視線を裕人に戻してしまった
立ち止まった裕人に村野さんが近づいていったため、私たちもあとに続いた
「茂木!気持ちはわかるがそれじゃ逆効果だ。今はゆっくりと確実に、新しいフォームを身につけることだけを考えろ!」
「そんなもたもたしてられませんよ。あいつは!毛塚はどんどん先行ってるんですよ!他の選手だって!もう、これ以上置いてかれるわけにはいかないんだよ!!」
そう叫んで裕人はまた走り始めた
「おい茂木!」
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れな(プロフ) - えさん» クールのクの字もない毛塚ですが、今後ともよろしくお願いします!(笑)私も気になります毛塚と付き合うまでの話…(笑)私にかけるか不安ですが考えてみます! (2017年12月11日 18時) (レス) id: 607cd69f3f (このIDを非表示/違反報告)
れな(プロフ) - 湖泊さん» 最高の作品とのお言葉、とても嬉しいです(; ;)これからもよろしくお願いします! (2017年12月11日 18時) (レス) id: 607cd69f3f (このIDを非表示/違反報告)
え - れなさん» 思いつきました!回想みたいなかんじで主人公と毛塚が付き合うまでのお話をぜひ読みたいです。ご検討お願いします。 (2017年12月9日 21時) (レス) id: 132dc564f2 (このIDを非表示/違反報告)
え - れなさん» 弱気な毛塚すごいよかったです!原作でも詳しくは描かれてないとのことでしたので難しいかと思いますがぜひまだまだ見たい気持ちでいっぱいです。ありがとうございます!厚かましくリクエストなんてすみません。また思いつきましたら書かせていただきます。 (2017年12月9日 9時) (レス) id: 132dc564f2 (このIDを非表示/違反報告)
湖泊(プロフ) - れなさん» 最高の作品です!いえいえ! (2017年12月9日 1時) (レス) id: 7c2244ffc6 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ひな | 作成日時:2017年11月8日 22時