陸王

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その後裕人は半腱様筋の部分損傷と診断された


フォームに問題があるようで、これから裕人はリハビリをしながらフォームを変える練習をすることになるだろうと監督が言っていた


医務室に入ると包帯を巻かれた足を裕人が眺めていた


｢裕人｣


｢おう。心配かけたな｣


無理して笑う裕人に胸が痛む


｢ばか！！｣


そう言うと涙が溢れてきた


｢え、ちょっと！待てよ！泣くなよ！心配かけたことは謝るから！｣


私の涙に動揺したのか裕人は立ち上がって狼狽える


｢また…｣


｢ん？｣


｢また、もう続けらないってお医者さんに言われるかと思った…よかった…｣


｢…うん｣


｢あ！よかったって！怪我したことがよかったってことじゃなくて！｣


｢わかってるよ｣


そう言って裕人は私の頭を自分の胸に押し付けた


｢とりあえず幼馴染の胸借りて泣いとけ｣


｢…なんかむかつく｣


｢相変わらず泣き虫でちゅねAちゃんは｣


｢…。｣


私は何も言わず裕人の脇腹に一発入れた


｢痛てぇ！｣


次の日


朝練が終わりロッカーで着替えていると凛が入ってきた


｢よっ｣


｢おはよ｣


｢茂木の調子はどう？｣


｢今日からリハビリ｣


｢そんなことより！｣


｢そんなことって…｣


｢全国デビューおめでとう｣


そう言って凛は私の肩に手を置く


｢は？｣


｢バッチリ映ってたよ！裕人お願いもう辞めて…｣


凛は昨日のことを再現するように私の首に手を回す


｢やめて｣


｢ちょっとすっぴん気味だったからもうちょっと化粧しとけばよかったね｣


｢別に映りなんか気にしてないから｣


｢DVDに焼いて親戚に渡す？｣


｢渡しません｣

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