陸王

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その後平瀬さんと合流して車に乗り込む


｢茂木はどんな？｣


｢落ち着いてます。足も問題ないとは言ってましたけど…｣


｢まぁ大学卒業後初の毛塚との直接対決だもんなぁ｣


｢でも、毛塚との勝負はこれからも何度もあります｣


｢そうなんだけどね｣


｢車動き出します｣


運転手さんがこちらに声をかけ、ゆっくりと車が動き出す


｢レーススタートしたかぁ｣


｢頑張れ、裕人｣


その後レースは順調に進んでいき、30km地点で先頭集団はサイラス選手と裕人と直の3人に絞られた


｢いいペースだな｣


｢あとはどこで仕掛けるかが勝負ですね｣


｢そうだな｣


すると35km地点で直が仕掛ける


｢お、毛塚が先に仕掛けた｣


｢裕人も追ってます｣


1度は直に離された距離を裕人が詰め、隣に並ぶ


40km地点まで2人は並走を続ける


｢裕人、今だ｣


呟いた私の声に反応するように裕人がペースを上げる


1度開いた差を直に埋められるが、裕人はどんどんペースを上げ、先頭のサイラス選手まで捕らえようとしていた


｢いけ、茂木｣


サイラス選手と並走していた裕人はまたペースを上げ先頭に躍り出る


｢無理しないで…｣


私は顔の間で手を組み、祈るように目を閉じる


無理しないで裕人、怪我しないで裕人


そう願いながら目を開けると裕人の顔が苦痛に歪み、道路に倒れ込んだ

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