そんぎゅ､拾いました｡2−INFINITE−

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ウヒョンさん…｡


彼が…そんぎゅの､前の飼い主｡



そう確信した瞬間に
胸の動悸が早くなり
ついウヒョンさんから目が離せなくなる｡


…その視線に気付いたウヒョンさん｡


WH｢…そんなに見つめられると照れるな…笑｣

｢あ…ごめんなさい｣


困ったように笑い､一歩､ウヒョンさんが近付く｡


少し近くなった距離で
ウヒョンさんが､そっと私の顔を覗き込んだ｡


WH｢…お久しぶりです｡Aさん｣

｢………!!｣

WH｢ふふ､忘れちゃったかな??以前､一度会った事があるんですよ｡僕達｡｣


……そうだ｡

思い出した｡


彼がそんぎゅの前の飼い主だとしたら…

以前公園で迷子になった犬そんぎゅを私が見つけた時｡
あの時､そんぎゅをウヒョンさんに返した時に会ったんだ｡


あの時は､ウヒョンさんがサングラスをしていたから
ちゃんと顔が見えなくて…｡


『ありがとう!!…あの､君の名前教えてくれる？』

そう聞かれて､咄嗟に答えちゃったけど
あの時はウヒョンさんは名前を教えてくれなかったのよね…｡




｢覚えて､ます…｣

WH｢本当に??嬉しい｡僕､あの時からずっと忘れられなかったんですよ､Aさんの事｣

｢え??｣


悪戯なウヒョンさんの目が､嬉しそうに細められ
唇がにっこり動いた｡


WH｢とっても可愛かったから｡また会いたいなぁって…｣

｢……!!…あの､｣

WH｢ふふ､でも…残念｡彼氏が居るみたいですね??｣

｢あ…｣


少し腰を屈めていたウヒョンさんが
チラリとそんぎゅへ視線を変えて｡


…そんぎゅの正体には､気付かなかったみたいだった｡


WH｢はじめまして｡僕､ウヒョンです｡羨ましいなぁ可愛い彼女がいて｣


にこやかにそんぎゅに挨拶をするウヒョンさん｡


可愛いだなんて､嬉しいけれど
今は､どうしても喜べない…｡


だって､隣に居るそんぎゅが
俯いて､こんなに辛そうな顔をしているのに｡




…大好きだったのに､自分を捨てた元飼い主に忘れられるのは辛い｡

それは人間の私にもわかった｡


WH｢…どうしたんですか??具合でも悪い??｣


不思議に思ったのか
ウヒョンさんは首を傾げてそんぎゅに問う｡


それでも答えないそんぎゅに
ウヒョンさんは私を見て


WH｢彼のお名前は？｣


…私が答えていいの？


戸惑いを感じ､そんぎゅの表情を伺う｡


その表情は苦しいものだったけれど
変に間を開けると､疑われそうなので

…私は､口を開いた｡


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