そんぎゅ､拾いました｡2−INFINITE−

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【そんぎゅside】


Aに会いに行く事が､怖くなった｡

その体に残る傷は､全て
俺がつけたもの｡


そう思うと､罪悪感が激しく襲い掛かって
足が病院へ向く事が出来なくなった｡


それは､俺が弱いから｡



Aが事故を起こしたあの日から､何度も飲み込んだ傷痕｡


…痛いなんて､言えなかった｡


そうすれば､Aは…気付かないでしょ…？


けれど､もう…

無理､だよ｡


俺なんかが､Aを守れやしないんだ…｡









MS｢ひょんは､全然Aの事わかってない!!｣


俺の腕を掴んだみょんすが､珍しく声を荒げた｡


MS｢Aがひょんを待ってるんだよ｡ひょんが迎えに行かないで､誰が行くの?!｣


そう言われて｡


狡い俺は
罪悪感よりも…会いたい気持ちが上回ってしまったんだ｡


けれど､行く決心がついたのは､それから数日後｡


夜､看護師さんに｢今晩はここに泊まります｣と報告して
恐る恐る病室へ入ると

…そこには､静かに眠るAが居た｡



｢…A｣


途端に愛しさが込み上げる｡


起こさないように､そっとベットの傍の椅子に座って
Aの左手を握って

暫く､その寝顔を眺めていたら…



ｱﾅﾀ｢…やっと､来てくれた｣


きゅ､と､握ったAの手に力が込められて
思わず体が跳ねた｡


ゆっくりと開かれるAの瞳が､俺を捉える｡


｢…起きてたの…？｣

ｱﾅﾀ｢今起きたの｡…手が温かかったから｣

｢あ…｣

ｱﾅﾀ｢…離さないで…？ずっと握ってて…来てくれて､嬉しい｣



どうして…

A､どうして､そんなに優しく笑うの…??



ｱﾅﾀ｢ごめんね…私､まだ何も思い出せないのだけれど｡みょんす君とウヒョンさんに､教えてもらったの｣

｢………｣

ｱﾅﾀ｢…事故の事と､貴方と私が…恋人だった事｣

｢!!｣


目を伏せるA｡


ｱﾅﾀ｢私…貴方の為に､記憶を取り戻したい｡｣

｢A…｣

ｱﾅﾀ｢今､私に込み上げてるこの気持ちは…きっと､愛しさだと思う｡それくらい､好きなんだよ…｣


優しい瞳｡

ふわりと笑う､その笑顔｡


ｱﾅﾀ｢…そんぎゅは､何も悪くないよ｡きっと悪いのは全て私なの｡だから…嫌いになったかもしれないけど…｣


言い終わらないうちに
俺の体は､自然に動いていて


もう､その続きは言わないで…｡


Aの言葉を遮るみたいに
キスをしていた｡



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