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「 なっ、邪魔ですってぇ?!こっちだってね!色々なアクシデントがあって、混乱してる最中なのっ!! 」
つい、いつもの癖でAに言うように怒鳴ってしまって、いけない!と気づいた時には目の前の男性は怪訝な顔付きで私を見ていた。
「 あー、なんだ?妙な格好してんな。訳ありか?……普段は、面倒ごと持ち込まねー主義だが、お嬢さんは綺麗だし、特別にタダで話聞くくらいはしてやるよ。俺は、こういう者だ。」
「 …万事屋銀ちゃん、オーナー坂田銀時。」
その男性から受け取った名刺を見ると、そう書いていた。万事屋って、確か何でも屋みたいなものよね?
「 気軽に、銀さんや銀ちゃんとでも呼んでくれや。…取り敢えず、店行くぞ。」
「 えっ、あぁ!はい、」
反射条件で返事をして、慌てて銀さんの背中を追う。斜め後ろ辺りまで来ると、そっと相手を窺って見た。Aと似たような髪の色で、違うのはくるくるした天然パーマという事。顔は…整っている方ではあるけれど、目が死んでいるから、それで台無しになっている気がしなくもない。じーっと、見ていると視線に気がついたのか居心地悪そうに眉を顰めたのが私の目にはいり、ぱっと視線をそらす。
暫くしていると、銀さんが階段を登り始めたので、私も階段を登る。カツカツと、地面と靴がぶつかる硬い音が聞こえ、それを聞きながら登り終えると、ガラリ、と扉の開く音がした。
「 銀ちゃーん!!お帰りアルー…、って。何処からそんな可愛らしい女連れてきたアルカァアアアア!!!! 」
「 ちゃばぁああああ!!! 」
チャイナ服を着た、可愛らしい女の子が飛び出てきたと思えば銀さんを二階から蹴り落とした。…蹴り落とした?!?!
「 ぎっ、銀さん大丈夫?!?! 」
すると、頭から血を流す銀さんが、痙攣しながらゆっくりとこちらへ手を振る。
「 あー、初めての人はビックリしますよね。あはは、これ…何時もの事なんで気にしないでください。」
男の子の声がして後ろを振り向けば万事屋の玄関からこちらを覗く眼鏡を掛けた少年が。…多分私と歳は近いと思う。
「 そ、そう。まぁでも、確かに私の仲間もそういう事があるから。」
珊瑚と弥勒の事である。
そう言えば、苦労してるんですね、と男の子から慰めの言葉をもらった。そのまま、部屋の中へと案内され、置かれていた長椅子に腰を掛け、万事屋の三人が揃うのを待つ。
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作者名:飛影&幽助廃の蓮華 | 作者ホームページ:
作成日時:2016年10月30日 22時