ラプンツェル

ラプンツェル ページ1

？？？「今日もまた埃っぽい部屋の中で一日中過ごすのかあ。」

少女はベッドと大量の本の入った本棚しか置かれていない、陰気くさくも上品な部屋の中で、ぽつりと呟いた。

？？？「せめて何か暇が潰せるものでもあればなあ。本は全部読み終わったし。お父様が帰ってきたら、新しい本をリクエストしよ。」

そう言って、彼女は今までに読んだ本の背を一冊一冊なぞり始めた。

？？？「ロミオとジュリエット、ハムレット、高慢と偏見………はあぁ、恋愛ものばっかでつまんないわー。お父様のプレゼントなら全部嬉しいけど、ここまで女の子扱いされると腹立つな(笑)」

少女は本棚の二列目の本を半分ほどをなぞったところで、指を止めた。

？？？「懐かしー！ラプンツェルだー！」

ラプンツェル………グリム兄弟の書いた童話で、塔の中に住むラプンツェルと王子が最終的に結ばれるロマンチックなお話だ。

？？？「王子は盲目になっちゃったけどね。」

………………。

？？？「でも、恋愛小説の中では一番好きだったなあ。」

？？？(ラプンツェルって、塔の中に閉じ込められているところが、私にちょっと似てるし…)

あと世間知らずなバカ娘なところも、そっくりだ。

？？？「うるさい」

……………はい。

？？？「私のところにもイケメンな王子様が来てくれればなあ。」

カイ王子とか、ブルーノ王子とか、レオンハルト王子とかリヒト王子？

？？？「あれは兄弟だし、最終的にイチャイチャできないからダメ！」

………下心が丸出し(ボソッ

？？？「うん？」

……いや。何でも……

？？？「はあ、皆元気かなー？」




……………一話を読んでくださり、ありがとうございます。よければ、評価とコメントをお願いします！次は設定を載せるつもりです。イメージ画もできたら載せます。応援よろしくお願いします。

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