【月島蛍】月島、彼女に惚れ込んでます

#23 貴方side【番外編ーキス事情ー】 ページ23

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「ほら、早くしなよ」




突然に手をひかれたかと思えば、
上から、しかも超至近距離で聞こえてくるその声。

もちろん、蛍くんが言ったもの。



自分でキスをしたいとせがんだものの
これはいくらなんでも恥ずかしすぎる。



その恥 故に黙っていると
蛍くんは楽しそうに笑って


「できないの？」


と聞いてくる。



それで私は完全に火がついた。






『できるってば！』






そう言って私は、背伸びをして顔を近づけた。







が、



届 か な い







『…………ちょっとしゃがん「イヤだ」このドSめ！！』



蛍くんは余裕たっぷりに笑った。





私は諦めて何度も背伸びをする。









『ねぇしゃがんでよ！』




けど、まぁ、届くはずもなく。









「Aのチビ」

『蛍くんがデカイの！』

「はいはい。」




蛍くんはそう言って、顔を少しだけ下に向けた。


なんだかんだ言って優しい。







よし。Let's try。







が、またもや届かず。









これでも届かないなんて……


私ってそんなにチビだったっけ？









そう思った時







「A」



蛍くんにそう呼ばれ、上を向けば









優しく重なった唇。









一瞬、脳が追いつかなかった。









『っ、』

「まだまだだね」




蛍くんは楽しそうに笑って、それから
私の腰を引き寄せて抱きしめた。





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