シェアハウス物語17

後悔とホットミルク【N.K.】 ページ31

K.F.side

今日は、初めて呼ばれる番組の打ち合わせ

出演するのは、俺と中島とふたり


もし気に入ってもらえれば、次も呼んでもらえるかもしれないから、結構重要な打ち合わせだ

できれば、次の仕事に繋げたい



健「プロデューサーは谷川さん…
菊池、知ってる？」

風「いやぁ…知らないっすねぇ…」

健「そっか。俺も初めて会うわ」

企画書に書かれたプロデューサーの名前は『谷川俊哉』


俺も中島も初めて会う人だと分かって、ますます緊張感が高まる

第一印象、むちゃくちゃ大事だからね



風「まっ頑張りますかー」

健「おう」

さて、頑張りましょうか


風「失礼します」

谷川「おーきたきた！！会えて嬉しいよー！！」

健「…あっ、っ、」

谷川さんの第一印象、ニマニマとした笑顔が若干薄気味悪い人


谷川「いやー、普通はプロデューサーよりも先に着いててほしいんだけどね。やっぱアイドルだと忙しいもんねー」

…は？
いやいや、打ち合わせの15分前ですけど

あなたが早すぎるだけでは…？



あーダメだ、この人苦手かも…

…いや、決めつけちゃいけない



これは、仕事だ
気持ちを切り替えろ

仕事、仕事…



風「お待たせしてしまいすみませんでした」

谷川「あーいいのいいの。まぁちょっと待ったけどね。とりあえず座って」

風「失礼します」

何とか、笑顔を作り直して席に座る


これはなかなか面倒くさい打ち合わせになりそうだぞ…




谷川「中島くん、久しぶりだね」

健「…あっ、はい。お久しぶり、です」

え…？

中島、知ってる人だったの…？


いや、でもこいつは一度会ったスタッフの名前は忘れない人だ

何で覚えてないんだろう



谷川「実は少し前に、離婚してね。前は田中だったけど谷川に変わったんだ」

健「そうなんですね」

あーなるほど！そういう事ね！！

名字が変わったから、中島は分からなかったのか！


中島の知ってるスタッフだと分かって、ちょっとホッとした

面倒くさそうなプロデューサーだけど、初めてじゃないならまぁ大丈夫でしょ




谷川「久しぶりに会えて嬉しいよー、健人くん。
まさか、僕のこと、忘れてないよね…？」

健「…はい、、もちろんです」


ただ、中島の妙に緊張した姿に少しの違和感を覚えた

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