シェアハウス物語17

大切な人【N.K.】 ページ23

N.K.side

眩しい光が最後に光って、フラッシュが止んだ


「はい、オッケー！お疲れ様」

よかった…終わった…

仕事があることはとても有難いことだし、終わるのを待っているなんて失礼だけど、でも今日は、終わったことにホッとしてしまった



聡「今日の撮影も楽しかったね！」

マリ「あのカメラマンさん優しくて好き〜！」

今日は、5人でアイドル誌の撮影だった


健「ふぅ…」

疲れたなぁ…

体が怠い…


今朝から感じていた倦怠感

体温を客観的に知ってしまったら余計に体調悪くなりそうで、熱は測らなかったけど、少なくとも今は確実に熱があると思う


体全体が、鉛がついたみたいに重くて頭が働かない…

疲れた…

眠い…




「、じま、、中島、」

健「へ？ごめん、何？」

風「何って…。帰る準備しないんすか？
もうみんな準備できたけど」

あっ、そうじゃん…

帰る準備、してないじゃん…


冷静になって周りを見ると、みんなはもう私服に着替えて荷物もまとめて帰る準備万端だった



勝「大丈夫？疲れちゃった？」

健「大丈夫だよ」

マリ「けんてぃーはマイペースだね」

健「ごめんごめん(笑)」

かなりマイペースなマリウスにそれを言われるとは…(笑)
マリウスの成長が嬉しいような、寂しいような




結局、みんなが帰る準備を手伝ってくれて、5人でマネージャーの車が待つ駐車場へと向かう


マリ「帰ったら、みんなでカードゲームしよ〜♪」

勝「また？あれ、もう飽きたよ」

みんなの話をぼんやりと聞きながら、エレベーターへ


あぁ…エレベーターの揺れが、なんか気持ち悪い…

帰ったら、ちょっと寝ようかな…



聡「今日の夜ご飯何にする？」

健「あー…ちょっと、俺、」


ガン！！ガタン！！！


マリ「うわっっ！」

聡「いやっっ！！」


「体調が悪いから、ご飯いいや」と言おうとしたけど、それを遮るような大きな音が響いて



勝「うそ…」

風「止まった…？」

その大きな音は、エレベーターが動きを止めた音だった

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