シェアハウス物語17

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N.K.side

風「はぁ、はぁ、っ、、」

健「辛いなぁ…。大丈夫大丈夫」

明け方になっても、菊池の体調は全く回復しない

回復するどころか、新たな症状も出始めた



風「うぅ、っ、げぇぇ、」

健「お前、熱出てきてない…？」

背中をさすっていると、手にじんわりと伝わってくる熱い体温


健「うわ、マジか。しんどいなぁ…」

少し落ち着いたタイミングで、部屋で熱を測ると39度近い熱があった


風「はぁ、はぁ、っ、」

本人は体温を聞く元気なんて全くなさそうだったから、とりあえず伝えなかったけど


これは、ちょっとヤバいなぁ…

こんな高熱がいきなり出たら、かなり体も辛いと思う


病院が開く時間になったら、連れていかなきゃだな




健「菊池、もう少ししたら朝一で病院行こう」

風「いや、っ、でも、」

健「ん？」

なんだなんだ

病院行きたくないのか？

でも、こんなにしんどそうだから、病院行った方が楽になると思うけど…




風「今日、レコーディング、あるから、」

健「えっ、今日！？」

ウソだろ、マジで！？

マネージャーから送られてきているスケジュール表を確認すると、菊池のところに『レコーディング』の文字


うわ、マジか…




風「レコーディング、終わったら、マネージャーに病院連れてってもらうわ…」

健「いや、でも、」


無理してほしくない


でも、レコーディングはたくさんのスタッフが関わっている仕事
準備にもめちゃくちゃ時間がかかる

簡単に休むことが出来ない仕事のひとつだって俺も分かるから、強く止めることができない



風「大丈夫。今日、午前中で、終わりだから。
それに、今はだいぶ落ち着いたし」

健「…うん」

落ち着いたといっても、もう吐くものがなくて吐かなくなっただけだと思うし、熱もかなり高い



休ませてあげたいけど…

休ませてあげられない…




風「中島がそんな顔しないでよ(笑)
大丈夫だから。ちゃっちゃとレコーディングして、帰ってくる」

健「…うん、分かった」


結局、菊池はレコーディングへ


俺は、自分の無力さが痛かった

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