・ ページ9
N.K.side
入院の手続きを終えて家に帰ってきてから、ずっと部屋に篭っていた
頭の中は、あの時病院に連れて行っていれば
あの時勝利の部屋から離れなければっていう過去の後悔と
もし勝利に後遺症が残ったらどうしよう
熱が下がらなかったらどうしようっていう未来への不安
健「…っ、」
後悔と不安で、頭がいっぱい
風「中島…？ただいま」
健「菊池…」
気がつけば、病院から帰ってきてからかなりの時間が経っていた
風「なんでカーテン閉めてないのよ」
健「えっ、あ、ごめん」
風「…てか、この部屋寒くね？凍えそうなんだけど」
あぁ、そっか
もう夜なのにカーテン閉めてなかったんだ
そして、菊池に言われて初めて気づいたけど…すごく、すごく寒い
風「手冷たっ」
健「あっ、ごめ」
風「大人しく、それ被っててください」
菊池が、着ていたコートを掛けてくれて、少し寒さが和らいだ
風「大丈夫？…なんか、色々大変だったみたいだな」
健「…うん」
救急車で勝利が運ばれたことまでは、ふたりから聞いたらしい
でも、髄膜炎であることはふたりに伝えられていない
健「勝利、髄膜炎、だったの」
風「髄膜炎…」
言わなきゃ
健「後遺症が、残るかもしれないって」
風「うそ…」
後遺症が残ってしまうかもしれないこと
健「熱が、っ、いつ下がるか、分から、なくて、っ、」
風「…中島？大丈夫？」
いつまで入院するか分からないこと
健「俺が、俺が、ﾊｧッ、っ、いけなかったの、っ、」
風「中島、ちょっと落ち着いて」
全部全部、俺が悪いんだってこと
健「俺が、もっと、はやく、病院に連れていったら…っ、俺が、悪いの、全部、っ、」
風「中島、ちょっと休憩。分かったから」
菊池に背中をさすられて、やっと自分がすごく早く呼吸してたんだって気づいた
風「大丈夫、大丈夫だよ」
俺が悪い
泣く資格なんてないのに、でも、涙が止まらなくなった
風「勝利に、もし、もし万が一何かあっても、絶対お前のせいじゃない」
健「…うぅ、っ、」
風「それに、勝利なら大丈夫だよ。勝利は強いって、俺らが一番よく知ってるだろ？」
健「ん、っ、」
風「うん。じゃあ、勝利のこと信じよう」
そうだ
後悔も不安も、考えたって何も現実は変わらない
だったら今は、勝利のことをただただ信じよう
勝利も、俺らも、
絶対、絶対大丈夫
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 1680人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
琥珀 - 初めまして！いつも読ませていただいてます！リクエストで健人くんが偏頭痛もちで大雨の日に偏頭痛が悪化してしまうお話が見たいです！お忙しいと思いますが採用して頂けますと幸いです！これからも楽しみに読ませていただきます！！ (2021年2月5日 20時) (
レス) id: f93df10a93 (このIDを非表示/違反報告)
Hata Sayaka(プロフ) - これからも楽しみに待ってます(^-^) (2021年1月29日 19時) (レス) id: b3a859ad86 (このIDを非表示/違反報告)
せとか - 初めまして！いつも読ませていただいています！お話のリクエストでは無いのですが、お話の題名に誰が弱るかなどを書いて頂きたいです！私は健人くんと勝利くんを主に読みたいのですが、どれで誰が弱るかなどが分からないので書いて頂きたいです！ (2021年1月23日 22時) (レス) id: 6932a25660 (このIDを非表示/違反報告)
せれん(プロフ) - リクエストなのですが、聡くんが過度の緊張とプレッシャーから過呼吸症候群になってしまうお話が見たいです。お願いします！ (2021年1月18日 23時) (レス) id: 45df89102e (このIDを非表示/違反報告)
まれ(プロフ) - お話更新されるのが楽しみで仕方ないです！勝利くんがストーカーされていてそれをみんなに内緒にしていてどんどん人が怖くなっていってしまい、そこをふまけんが助かるお話をお願いしたいです！ (2021年1月15日 18時) (レス) id: 92e62aa647 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：マロン | 作成日時：2020年12月14日 14時
