シェアハウス物語16

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K.F.side

玄関まで出迎えなんて、普段ならぜったいにやらない

めんどくさいし、そもそもそういうのは松島とかマリウスとかそういう可愛い人たちがやる事に意味がある



「ただいま」

でも、玄関から聞こえた中島の声を聞いて、あっちょっとこれは行ったほうがいいかなと思った

体調悪いのかも


顔を見て分かるならまだしも、声だけ聞いて相手の体調の良し悪しがわかってしまうなんて、なかなかキモいと思う

でも、分かってしまったものは仕方ない




風「おかえり」

健「えっ…？」

案の定、中島は真っ赤な顔をしていた


結構熱ありそうだな…

なかなかしんどそうな顔してる




健「…っ、うぅぅ、っ、」

風「えっ…」

…ただ、まぁ泣き出すとは思わなかったよね


ポロポロと涙を流し始めた中島に驚いて固まっているうちに、中島はもう大号泣

わんわんと大きな声をあげて、泣き出してしまった



風「中島、ちょっと落ち着こう」

健「うぅぅ、っ、ふうまっ、ふうまっ、」

風「はいはい、風磨ですよ」

普段は菊池呼びなのに風磨呼びに戻っちゃってるし

ひさびさにこんなガチの高熱出して、体と気持ちがついていかないのかな…


でも、こんな玄関でずっと泣いていても体が冷えるだけだろう

風「中島、リビング行こっか。
温かいところで休もう」

健「ん、っ、ふうま、は…？」

風「俺も行くから。中島も行きますよ」

むちゃくちゃ熱い中島の体を何とか支えて、リビングへ


勝「えっ、どうしたの？」

聡「けんてぃー大丈夫！？」

マリ「何で泣いてるの！？」

そりゃまぁ、そうなりますよね

俺もまさか泣き出すとは思わなくて、だいぶテンパってるもん



聡「具合悪くなっちゃったの？」

健「ん、っ、」

聡「そっか…。辛かったね」

それでも、この状況をすぐに理解して、中島に優しく声をかけてくれる3人はさすがだ



勝「布団敷いたから、少し寝てきたら？ゆっくり寝たら、すぐ良くなるよ」

健「ん、っ、ふうま、も、」

マリ「けんてぃー可愛いー！！風磨だって！」

下3人は、俺に甘えまくる中島を見てニヤニヤと笑っている

…恥ずい

シンプルに、恥ずいっす




風「中島、行くよ」

健「んっ、」

3人の顔は見て見ぬ振りして、中島の体を支えて和室へ


風「冷えピタは？貼る？」

健「うんん…、冷たいの、いや…」

風「ん、じゃあこのまま寝よう」

お腹を優しく叩いてやると、しばらくして寝息が聞こえてきた


ちょっとでも、熱が下がるといいな…

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