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M.S.side
外はもう真っ暗で、ハッキリとは見えないけど独特な歩き方に大きなシルエット
「…俺の友達に、何か用ですか」
そして、大好きな声は間違いなく風磨くんだった
「あっ、いや別に、」
風「とりあえず、その手離してもらえます？」
「あっ、あ、」
風「…早く離してもらっていいっすか」
…でも、いつもよりもめちゃくちゃ怖い
さっきまでニタニタ笑っていた男の人たちも、笑顔が明らかに引き立っている
「…っ、行こうぜ」
「…おう」
そのまま、逃げるようにいなくなった
風「…いくぞ」
聡「あ、っうん…」
風磨くんの後ろをついて歩くと、すぐ近くに車が止まっていて助手席に座らされた
風「…ちょっと待ってて。中島に電話するから」
聡「…けんてぃー…？」
風「お前のこと、探してんの」
…あぁ、けんてぃーも探してくれてるんだ
…ほんと、何やってるんだろう、俺
喧嘩して、家飛び出して、危ない人に絡まれて、結局助けてもらって、こうして車の助手席に乗って帰る
…ほんと、子どもみたい
昔と何にも変わっていない
いや、むしろ昔の方がもうちょっと大人だったかもしれない
喧嘩もしなかったし、言われたことにはちゃんと従って、文句一つ言わなかった
いつまで経っても子供で、自分ひとりじゃ何も解決できなくて、みんなの足手纏いになるようなことばかり
聡「…っ、」
嫌いだ
こんな自分、大っ嫌い
自己嫌悪でいっぱいになりながら、車から流れる夜道をずっと見ていたら、車は突然道を外れてコンビニへと進んでいった
聡「…？」
風「…ちょっと待ってて。すぐ戻る」
何か、買いに行ったのかな…
風「ん」
聡「…あ、ありがと…」
風磨くんはほんとにすぐ戻ってきて、その手には二本のココア
一口飲むと、温かくて、甘くて、ずっとずっと硬くなっていた心がほろほろと溶けていくような感覚
聡「…っ、うぅ、っ」
ほろほろと心が解けて、気がついたら、泣いていた
ほんとは、さっき物凄く怖かった。このまま連れ去られちゃうんじゃないかと思った。
助けてって言えないし、体が震えて思うように動かなくて抵抗もできないし、ほんとに、ほんとに怖かった
そして、悔しかった
自分ひとりじゃ何もできないことも、結局風磨くんに助けてもらったことも、今、車の助手席に乗っていることも
怖かったこと、悔しいこと、自分が情けないこと
聡「…っ」
色んな色んな気持ちが溢れて、涙が止まらなくなった
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レス) id: a3ebf6f40d (このIDを非表示/違反報告)
む〜 - 風磨くんがぎっくり腰になってしまうお話が見たいです。 (2020年12月10日 15時) (レス) id: dba17a9be2 (このIDを非表示/違反報告)
みき - 健人くんが嘔吐恐怖症なのに胃腸炎になって、風磨くんに看病される話が見たいです。 (2020年12月6日 13時) (レス) id: bcaae72ac5 (このIDを非表示/違反報告)
きさ(プロフ) - vs嵐の収録後、本気で背中が痛くなった健人くんがメンバー全員にお世話されるお話をお願いします。 (2020年12月3日 21時) (レス) id: 7d7a6bb931 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：マロン | 作成日時：2020年10月15日 16時
