シェアハウス物語16

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M.S.side

風「…お前さぁ、俺がなんでこんなに怒ってるか分かってないでしょ」

聡「…っ、」

正直、分かんない
風磨くんがなんでそんなに怒るのか

でもここで素直に「分かんない」って言ったらもっと怒られそうで、何も言えない


…なんで、そんなに怒るんだろう


風「はぁ…」

また、大きなため息


怒ってるのが怖い、と思うと同時に…

少しずつ、イライラしてきた


なんで、そんなに怒るのか分かんない

ダンスレッスンすごく頑張って、先生にたくさん褒められてご機嫌で帰ってきたのに、なんでそんなに怒られなきゃいけないの



風「お前が今一番やらなきゃいけないのは、体調管理なの。分かる？」

聡「…うん」

風「…なにその不満そうな返事は」

聡「……」


もちろん、分かってる
体調管理が大事だってことは

分かってる、けど…納得できない


自分の体が第一の仕事だけど、もちろんお休みできない時もあって、そんな時、薬とか時には点滴にも頼りながら、ふらふらになっても働くみんなを見てきた

病院の予約だって、仕事で行けなくて別の日に行くなんてしょっちゅう



みんなは許されるのに、なんで、俺だけこんなに怒られなきゃいけないの

…こんな特別扱い、されたくない




聡「…風磨くんは、俺のこと信じてないんだ」

風「はぁ？」

聡「信頼してないから、俺のことだけそうやって差別するんでしょ！？そうやって特別扱いするのは優しさじゃない！！」

風「…はぁ」

また大きなため息をつかれて、ぎゅっと心臓を掴まれたように苦しくなった


どこかで、信じてた

「ちゃんと信頼してる」って言って、諭してくれるって




風「…もう、いいよ。お前めんどくさい。ちょっと頭冷やそ。お互いに」

聡「…っ…」


結局、みんな俺のことなんて信じてないんだ

いつまでも俺のこと、みんなは差別し続けるんだ


……俺は、みんなと同じようには生きられない




そう思ったら、悔しくて苦しくて

何かを話さないと涙が溢れてきそうで



聡「…っ、風磨くんなんて、大っ嫌い！！！」

大声でそう叫んで、家を飛び出した

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