シェアハウス物語16

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K.F.side

健「…大丈夫かな」

風「勝利？」

健「うん」

雑誌撮影の空き時間、楽屋でケータリングを摘みながら話題になったのは勝利のこと


健「今日、聡マリとでしょ？体調悪いのに、無理しすぎないかなって心配」

風「まぁ確かにな…」

今楽屋にいない下3人は、撮影中

今日は俺ら2人と下3人の組み合わせだから、俺らと勝利達はほとんど別行動


「年下とだから頑張らなきゃ！」みたいな、必要以上の責任感で無理しすぎないか、俺らは結構心配していた





今日の勝利は、朝からなんかずっと隠してた

勝利は隠し事や誤魔化したいことがあると急にたくさん話始めたり、早口になったりするから意外と分かりやすい


あれは、朝から体調おかしかったパターンだと思う




風「まぁ雑誌撮影だけだし、大丈夫っしょ」

健「うん、そうだな」

この時は俺も、勝利の体調不良の原因は腹痛だとばかり思っていて、正直そこまで大したことではないと思っていた




「準備お願いします」

風「はい、行きまーす」

もっと、目敏く勝利のことを見ていてやれば良かったと思う



.




「…はい！オッケー！お疲れ様」

風「お疲れ様でーす」

健「ありがとうございました」

撮影は、何もかも滞りなく順調に終わった



健「腹減ったー！」

風「ケータリング摘んで帰るか」

健「そうしよ」

ダラダラと雑談しながらスタジオを後にして、楽屋の扉を開ける



風「お疲れー」


マリ「あっ！帰ってきた！！」

健「…どうした？」


マリウスが大きな声をあげるから、ちょっとビビった


…なに、なんかあったの？




聡「けんてぃー、風磨くん！勝利が…！！」

健「え、どうしたの」

松島がいるソファーの方まで近づくと、体を小さく丸めて何かに耐えるように横になっている勝利



勝「はぁ、っ、はぁ、っ、」

風「え、何。そんな腹痛いの？」

いやいや、昼に腹痛いとは言ってたけど、そんなむちゃくちゃ腹が痛いとは知らなかったですよ



聡「いや、それが、」

健「え、何？」

聡「勝利、胸が痛いっていうの」

風「はい？」

え、胸？

そんなところ痛むってどういうこと？





勝「はぁ、っ、ハァッ、」

風「勝利、そこ痛いのか」

勝「んっ、」

涙目になりながら抑えているのは、腹なんかじゃなくて心臓のあたり



勝「はぁ、っ、っ、はぁっ、」

ちょっと待って

なかなかの緊急事態だ

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