シェアハウス物語16

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K.F.side

陸って素晴らしいな

なんてことを思いながら、
堤防に座ってぼーっと遠くの景色を見る


あー…やっとちょっと胃のむかつきがマシになってきた

さっきまでうねうねと動いているように気持ち悪かった胃が、落ち着きを取り戻したような気がする



ぼんやりと遠くの景色を見続けていると、視界にスポーツドリンクのペットボトルが入ってきた

健「大丈夫？」

風「あぁ、うん。…エンディング撮る？行こっか」

重い腰をあげようとすると、肩をそっと抑えられて中島も俺の隣に座った

なんだなんだ、エンディング撮るんじゃないのか


健「ちょっと休憩してから撮ることになった。俺も勝利も船酔いしちゃってちょっと気持ち悪いし…。元気なの、マリウスだけなの(笑)」

風「…あぁ、そう」

自分のことでいっぱいいっぱいだったけど、勝利も中島も船酔いして気分が悪いらしい


まぁ、中島さんも結構船酔いするタイプだからね

勝利まで船酔いしてるのは、意外だけど



健「…顔色、悪いね。真っ白」

風「…まぁ、でしょうね」

健「飲める？少し水分取った方がいいよ」

風「…ん、ありがと」


スーッと冷たいスポーツドリンクが喉を通る感覚が気持ちいい

…あー、だいぶ落ち着いたかも



健「平気？」

風「…ん、大丈夫」

それから、ロケのこととかをゆっくりふたりで話して


マリウスと、船酔いが落ち着いたらしい勝利は「大人プロ」ことゲストの方と盛り上がっている様子

その声をのんびりと聞いていた




「そろそろ、どうでしょう。エンディング撮れそうですか？」

風「あっはい、すいません。だいぶ良くなりました」

「いえいえ、大丈夫ですよ。
エンディング撮りましょうか」


ゆっくりと堤防から立ち上がっても、胃が不穏な動きをみせることはなかった

よし、もう大丈夫そうだな




たかだか船酔いで2時間押し

ゲストの方にも、スタッフにも、もちろんメンバーにも多大なる迷惑をかけたわけだけど、文句ひとつ言う人もいなくて、皆さんむちゃくちゃ心配してくださって


嬉しかったけれど、ちょっと小っ恥ずかしかった









【seasick 完】

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