シェアハウス物語16

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N.K.side

健「そこ揃わないね。
もう少し練習しよっか」

聡「うん」

鏡を見ながら、何度も何度も踊って振り付けを揃えていく

ダンスが揃っているかを気にする一方で気になるのは、やっぱり菊池の体調で


風「……っ、」

さっきは「少し痛いだけ」なんて強がっていたけど
実は相当痛むみたいで、時折顔が歪む

これはちょっと早く終わらせて、休んだ方が良さそうだな…



聡「風磨くん、大丈夫？痛そうだね…」

風「…ん？あぁ、大丈夫。これくらい」


腰が痛いのが、もう他のメンバーにバレていて



そうするとみんな優しいから、早く菊池が帰れるように頑張らなきゃ！って焦っちゃって、その焦りが逆に空回りしちゃうっていう悪循環


勝「マリ、そこちょっと間違えてるかも」

マリ「え、あっごめん！ごめんね！」

風「大丈夫。もう一回やろ」


優しいのよ、みんな

でもちょっと優しすぎちゃうの



マリ「ごめん、風磨くんしんどいのに…っ、」

風「大丈夫だって。落ち着け」

それにしても、この悪循環はちょっとよくないな…


聡マリが菊池の様子を気にしてかなり焦っているし、
菊池も強がっているけどもう限界だと思う

確実に、腰の痛みが悪化してる



どうしようかなぁと考えていた、その時


勝「…よし！ちょっと休憩しよ！」

空気を変えたのは、勝利だった



健「うん！そうだね、休憩しよう」

勝「俺、喉乾いたから自販機いくー。
聡くんとマリウスもおいで。ジュース買ってあげるから」

聡「あっ、でも、さっき出来なかったところ復習しなきゃ…」

勝「それは休憩終わってからね。
ほら、早くしないとおいてくぞー」

本当に、勝利の空気がよめる性格には
いつもいつも助けられてばかりだ


聡とマリウスを上手に連れ出してくれた





風「…っ、、」

健「菊池、ゆっくりでいいからここ座ろう。
ゆっくりね」

風「…っ、ぁー！痛い！！」


やっぱり、かなり我慢してたみたいで

額には尋常ではない量の汗が流れていた




風「はぁ、っ、ぁー！っ」

健「痛いな…。水飲めそうだったら、ゆっくり飲もうな」

腰を押さえて、必死に痛みと闘う菊池に胸が痛む

何もしてやれないのが悔しい



風「はぁ、っ、中島、」

健「ん？どうした？」

風「今日、このまま帰る…、
ちょっと、もう、無理…」

健「…！うん、わかった！帰ろう！」

「無理」なんて、菊池から聞くのはほんと初めてで

辛そうにしてる菊池を何とか支えて
マネージャーの車でふたりで帰った

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