シェアハウス物語15

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N.K.side

「じゃあ食事会に向かいましょうか！」

だよね…
まだ夕方で、明日の出発も少し遅めの時間


食事会、という名の飲み会が開催されるのも当然の話


いつもなら楽しく参加するんだけど…

健「ふぅ…っ、」

寒くて寒くて仕方がないのに、
吐いた息はひどく熱い

熱がどんどん上がり続けているのは明らかだった


こんな体で飲み会なんて、とてもじゃないけど参加できない

スタッフさんも気心知れた人ばかりだし
参加しなくても大丈夫、だよな…




健「…菊池」

風「ん？何」

たまたま近くにいた菊池に声をかける

「体調不良」なんてたくさんの人に知られたら心配かけてしまう

だから、菊池にだけ素直に伝えて
ホテルの部屋で休んでいようと考えた



健「ちょっと、体調悪くて…」

風「え、あぁうん」

健「食事会やめて、早めに部屋で寝てるわ。
みんなには、ドラマの台本覚えてるとかって言っておいて」

風「ん、わかった。お大事にしてください」

健「ありがとう」


よし、これで大丈夫

部屋に戻って、早く寝よう





健「はぁ、はぁ、っ、」

今朝から熱があったから、
一応と思って持っていた体温計

熱を測ると38度を超えていた


なるほど、通りでしんどいわけだ
久しぶりにこんな高熱出して、自分でも驚くほどにしんどい


熱を少しでも下げようと、
こちらも念のため持ってきていた冷えピタを乱雑に額に貼り付ける

少し髪の毛にくっついたし、斜めになってしまったけれど
そんな事を気にしている余裕はなかった




健「はぁ、はぁ、っ、」

体中が熱くて、でも寒くて

体がぐわんぐわんと揺れている感覚もするし
心臓はドキドキと音がなっている


寝たい…

けど、体調悪すぎて眠れない…




健「はぁー…っ、はぁっ、」

辛い、苦しい‥

誰か、助けて…





…トントントン

結局、一睡も出来ずに2時間ほど経った頃
控えめなノックの音が聞こえた


健「はい…」

風「あっまだ起きてたんだ。
寝てるかと思ってインターホン鳴らさなかったんだけど」

扉の先にいたのは、コンビニ袋を下げた菊池



風「なんか食った？
って、どうせあなた何も食ってないでしょ。
適当に買ってきたけど」

健「……」

風「ん？え、大丈夫？
なんか、顔真っ赤じゃない？」

健「…っ、」

風「うわっ、危ねぇ…」


安心したら体の力が一気に抜けて…

思わず倒れ込んでしまった

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