シェアハウス物語15

君を大好きだ【M.S.】 ページ14

S.S.side

最近のオフの日は、料理ばかりしている


楽しいし、体にいいし、メンバーは喜んでくれるし

いいことばっかり



聡「わー！勝利すごい！
切るの上手だね」

勝「褒めなくていいから、
早く自分の手を進めてくださーい」

聡「はいはい(笑)」

今日は聡くんと一緒に、ラタトゥイユ作り

前作ったらめちゃくちゃ好評でリクエストされたから
作ることにした



勝「具材でかっ！
もうちょっと小さく切ったよ」

聡「えー食べれば一緒じゃん」

勝「見た目が悪いでしょ」

聡「はーい」

ふたりでエプロンを着て、
一緒に料理をつくる穏やかな昼過ぎ


聡「ゲホゲホッ、っ、ゴホッ…」

このまま、穏やかに過ぎてほしいと思っていたけど
そうはいかなくて

もともと少し咳をしていた聡くんが、急にひどく咳き込みはじめた


今日は落ち着いてるようにみえたけどな…

ダメだったか…




勝「聡くん、あっちでちょっと休憩しよ？」

聡「でもっ、っ、料理っ、ゲホッ」

勝「うん、ちょっと休憩。
もたれていいからね。ちょっと歩くよ」

ふらりと傾く体をなんとか支えて
ソファーに横にさせる


数分前まで、あんなに元気に料理してたのに…

今はしんどそうな咳を繰り返していた




聡「料理っ、最後まで、やりたかった…」

勝「あと煮込むだけだよ。
ちょっとお昼寝したら？起きた頃にはできてるよ」

聡「ん…」

あっという間に眠ってしまった聡くんに
ブランケットをかける


このところ、喘息の発作が多い

ここ一週間は毎日発作が出て、毎日苦しい思いをしている

もちろん病院にも行ったんだけど…
薬を増やして様子をみるしかないと言われてしまった



今日は元気そうだったから、大丈夫だと思ったんだけどな…

早く良くなるといいな




.




その日の真夜中

映画を観ていたら遅くなって、もう深夜2時過ぎ


そろそろ寝ようかとイヤホンを取った時
廊下から物音がすることに気がついた

こんな時間になんだろう…



不審に思って外に出ると、
聡くんの部屋から出てきた風磨くんと鉢合わせた


風「おお、まだ起きてたのか」

勝「うん。どうしたの？発作」

風「いや、ちょっと松島、熱がすごくて…」

えっ熱…？

少し空いたドアの隙間から見えた聡くんは真っ赤な顔をしている




勝「とりあえず、色々取ってくる。
風磨くんは聡くんの部屋にいてあげてください」


必要そうなものを持ってこようと、
急いで一階へ下りた

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