シェアハウス物語13

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S.S.side

マリ「聡ちゃん、どうだった…？」

健「んー…ダメだった。夜ご飯も食べたくないって」

やってしまった

ほんとに、最低だ


聡の気持ちが知りたくて、かなり強引に聞こうとしてしまって
その結果、気持ちを聞く事も出来ず聡を傷つけて


なにやってるんだ、俺は




風「お前はいつまでいじけてるつもりなの？」

勝「……」

別に、いじけてるわけじゃない

ただ、自分のことが本当に嫌になって
自己嫌悪しているだけ



なんでこんなに俺は、人の気持ちが分からないんだろう…

なんで傷つけてしまったんだろう…




勝「聡の気持ちを知りたいと思っただけなのに…
全然、ダメだった…」

風「んー、でもさ人の気持ちなんて全部は分かんねぇじゃん」

勝「……」

風「分かんないけどさ、分かりたいって思うことに
意味があるんじゃん？」


……あ、そうか

そうだ…そうじゃん…



『分かりたい』と思って、
聡の辛い気持ちと向き合うことに意味があるんじゃん


やっぱり俺は、ちゃんと聡の気持ちを、知りたい

辛いなら側にいてあげたいし
少しでも気持ちを軽くしてあげたい



勝「俺、聡の部屋に行く」

風「おっ！頑張れよ〜(笑)」


もう、逃げない

聡の辛い気持ち、苦しい気持ちを
ちゃんと受け止めよう





…コンコン



勝「聡、入っていいかな」

聡「ダメ、入らないで」



いつもなら、『ダメだ』と言われたら
俺はすぐに逃げてしまう

それを優しさだとか良いように捉えて



勝「…ごめん、入るね」


でも、今日はもう逃げない




聡「……入らないでって、言ったじゃん、、」

勝「…うん、ごめん。
でも俺は聡と、ちゃんと話したい」

聡「…っ俺は話したいことなんて、何もない！！！」


聡のこんな大きな声は、久しぶりに聞いた



聡「もう、いいってば！何にもないから大丈夫！！
みんなにも迷惑かけないから！！」

勝「うん」

聡「どうせ俺の気持ちなんて分からないよ！！！」

勝「……うん。俺、聡の気持ちは、分からない」

聡「はぁ！！？？」

勝「分からない…けど、分かりたいと思う。
全部は無理かもしれないけど、聡の辛さを少しでも
無くしたいと思ってる。

それじゃ…ダメ…かな」



迷惑かけない、なんてそんな寂しいこと言わないで

「大丈夫」の言葉で自分の気持ちを押し殺さないで





充分優しくて、頑張り屋で、必死に病気と向き合ってるんだから


勝「一緒に、ちょっと話そうよ。聡くん」


もう、一人で頑張らなくていいんだよ

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