シェアハウス物語13

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N.K.side

健「マリウス、行ってくるなー」

和室で寝てるマリウスに小声で声をかけて
マネージャーの車へ


今日は聡とふたりで仕事

健「…大丈夫？」

聡「え？…何が？全然大丈夫だよ」

珍しく、俺よりも後に車に乗ってきた聡は
明らかに疲れた顔をしている



健「昨日も、夜中にマリウス起きた？」

聡「うん…熱が上がっちゃうんだって…」

健「そっかそっか。
でも、夜にしっかり起きてあげて聡は偉いね」

聡「でも…起きてるだけで、何にも出来てない…」


あー…これは、ちょっとダメな感じかも



聡「マリウスはずっと辛いままだ…」

看病の疲れと、心配な気持ちが重なっちゃって
自分を責めちゃってる



健「そんなことないよ。
聡が隣にいてくれて、マリウスも安心してると思うよ」

聡「うん…」

聡ちゃんは、ちょっと優しすぎちゃうんだよね…

それがいいところなんだけど、
たまに優しすぎて心配になる





健「マリウス、早く元気になるといいな」

聡「うん」

みんな聡の優しさに助けられているんだから、
もっと自分に自信をもってほしいな…




.



健「中島健人とー」

聡「松島聡でーす！！」

ラジオ収録が始まれば、いつもの明るくて元気いっぱいな聡


どんなに疲れていても、心配なことがあっても
仕事中はそれを出さずに普段通りの自分でいる

本当に、成長したよね





健「お疲れ様でした」

聡「お疲れ様でした！ありがとうございました！」

しっかりスタッフさんにも挨拶して、
今日の仕事は無事終了


夕方頃には、予定通りラジオ収録が終わって
マネージャーの車に乗り込んだ





あ…せっかくだし、駅前の美味しいゼリー屋で
ゼリーでも買って行こうかな…

マリウス、あそこのゼリー好きだったよな…




健「ねぇ、聡」

話しかけて、気がついた


聡「……」

健「ふふ。口あいてる(笑)」

聡は、口を開けながら
窓に凭れて気持ちよさそうに眠っていた



昨日も…というか、マリウスが熱を出してから
聡もほとんど寝ずに看病してるんだもんな…

そりゃ疲れてるよね




健「よいしょ…っと」

上着を脱いで、聡にかける




健「…お疲れ様」

聡の優しさに、俺も、マリウスも
いっぱい助けられてるんだよ

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