シェアハウス物語12

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N.K.side

風「痛い…っ…助けて…っ…」

健「痛いな…辛いな…」

どうしよう…どうしよう、どうしよう！！！


ひたすら「痛い」「助けて」と訴えながら
涙をポロポロ流す風磨に頭が真っ白になる



俺が焦ってる場合じゃない…！

とりあえず落ち着け、俺！！



風「…はぁ…はぁ…ｸﾞｽﾞｯ…」

健「…っ…」

あー…だめだ、全然落ち着けない
慌てまくり


えーっと…とりあえず夜間救急行くか…！！

この様子じゃ、寝るに寝れないだろうし




健「ゆっくりでいいからね。
病院行って、治してもらおうね」

腹痛でふらっふらになってる風磨を必死に支えて
車まで歩かせて



風「痛いっ…痛い…」

健「もうちょっとで着くからなー
もう少し頑張ろうね」

泣きながら痛みを訴える風磨を必死で励ましながら
車で病院へ


健「大丈夫、大丈夫…」

15分弱の病院への道のりが、永遠に感じるぐらい長かった



.




風「…迷惑かけて、すみませんでした」

健「いえいえ。良かったよ、大きな病気じゃなくて」

検診の結果は、急性胃腸炎
腹痛がひどく出てるけど、2〜3日すれば治るだろうって

ほんとに、何か大きな病気かと思っちゃったから…
少しほっとした



健「点滴終わったら帰ろうね」

風「…ん」

そして風磨は、今更ながら泣いたのが恥ずかしくなったみたいで
俺がいない壁際を向いて点滴中


こういうところ可愛い…なんて本人には言えないけど(笑)




風「…勝利達、怒ってた…？」

健「んー？怒ってなかったよ。
すっごい心配してた」

風「…そっか」

昔から究極の強がりだけど、
意外とちょっと気にしいなところあって

体壊すと、ちょっとだけ気弱になる時がある


俺の方が一個上だから、
こういうちょっと気弱なところも受け止めてあげたいな





風「仕事で、ミスして…」

健「うん」

風「八つ当たり、しちゃって」

健「うん。そっか」

風「…反省、してる」

健「うん。じゃあ、あとで一緒に謝ろう」



強がりなところも、でも実はちょっと気弱なところも

友達が多いところも、でも実は人見知りなところも

意地っ張りなところも、でも実はちゃんと反省できるところも


全部全部、これからもずっと隣で受け止めていくからね









【ずっと隣で 完】

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