検索窓
今日:14 hit、昨日:45 hit、合計:262,788 hit

29話 ページ32

「後は彼が目覚めるのを待つだけね。私はやる事があるから…A、傍に居てもらえる?」



『うん、分かった』



他の人の治療に向かったであろうエミリーさんの背中を見届けた後、彼のベッドの傍に椅子を持ってきて座る。



率直に、少し怖かった。傷だらけの彼を見た時、今にも死んでしまいそうだったから。


彼らはサバイバーだから。時にはこんな大怪我を負ってしまうのは分かる。


でも、怖い。何時もこの荘園で笑い合っている子達が、ボロボロになって消えてしまうのが。



私が永遠に技術を身に付けず、最弱のままでいるのは、これが理由である。



私は、誰一人、殺したくない。



「…やだ………かえ、りたく…ない…」



すると突如彼の声が聞こえたので、目覚めたのかと思い顔を上げたが、どうやら寝言だったようだ。



『何の夢を見てるのかな…』



「…また、……あえる……やく、そく…」





その彼の言葉で過去の記憶が急激に蘇った。



あまりの衝撃に、勢い良く立ち上がってベッドから後ずさる。
そのおかげで、椅子はがたりと音を立てて倒れた。



『私達が、また会える……約束…!!』




彼の言葉。一目惚れ。寝言。そして過去。




全てが、繋がっていた。

30話→←28話



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 9.8/10 (169 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
402人がお気に入り
設定タグ:identityV , 第五人格
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

梨々華(プロフ) - ナ子さん» コメントありがとうございます!嬉しいお言葉(無事昇天) (2019年3月28日 23時) (レス) id: 7e65e4ae7c (このIDを非表示/違反報告)
ナ子 - え、なに、展開がすごく気になるんですけど…。(死にかけ) (2019年3月27日 9時) (レス) id: 848e96a0c3 (このIDを非表示/違反報告)
梨々華(プロフ) - 猫夜桜((シラキさん» ありがたきお言葉ありがとうございまぁぁぁぁぁぁす!!!!これからの展開にご期待くださァァ(うるさい) (2019年3月14日 19時) (レス) id: 7e65e4ae7c (このIDを非表示/違反報告)
猫夜桜((シラキ(プロフ) - うおあぁああ!?展開がァアァ!Fooooooo!!!この小説すっごい好きです!これからも頑張ってください!! (2019年3月14日 3時) (レス) id: 4588ab3ba5 (このIDを非表示/違反報告)
梨々華(プロフ) - カレンダー(2017/10)やばさん» おぁぁぁぁ...嬉しいお言葉ありがとうございます!これからもシリアス投下して行きたいと思います笑 (2019年3月9日 13時) (レス) id: 7e65e4ae7c (このIDを非表示/違反報告)

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:梨々華 | 作成日時:2019年2月16日 16時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。