雪のように、儚い君を。~2~

好きな子 ページ24

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「好き…ってなに…？」

目「え？？」

「阿部くんのことずっと好きだよ。でもみんな好きだし…。メンバーみんな大好きだよ？」

目「そういう好きじゃなくて…」

「恋愛なんてしたことないからわかんない。私なんかが、ファンの子達から、メンバーみんなを取っちゃったら、Snow Manは終わりだよ…。私のせいでグループが終わっちゃう。」

目「A…。」

「…そんなの絶対ダメだから。」


アイドルである私が誰かと恋愛することは、万人から応援されることでは無い。
ましてや、相手がアイドルなら尚更だ。

自分の中に恋が芽生えてしまう前に、気持ちに蓋をして見えないようにして、枯れてしまうのを待つ。
そうしなければ、Snow Manというやっと出来た居場所を自分のこの手で潰してしまうんじゃないだろうか。


「私が恋愛することで、何かを壊してしまうなら、私は恋愛なんて出来ない…」

目「Aらしいね。」


あははっと笑って、めめが頭をポンポンっと撫でた。


目「でもさー。Aの心が壊れちゃったらどうすんの？ずっと自分の気持ち殺して、Snow ManとしてのAは綺麗に残っても、1人の女の子のAが壊れちゃったら、それって悲しすぎない？」


そう話すめめの顔は、とても痛くて辛くて壊れてしまいそうな表情をしていた。
私の事を思ってこんな顔をしてくれるめめは、本当に優しい。


目「ちゃんと自分のこと、大切にしてほしいな。」



グサッと、心に刺さった気がした。
自分のことを大切にしたいけれど、私はそれが全然できないから。
だから、私の周りの9人のメンバーたちが、私なんかよりも私を大切にしてくれている。


「ありがとね。自分のこと大切にできるように頑張る、」

目「まぁ、Aが自分を大切にできない分は、俺がAのこと大切にしてあげる。」

「めめはさ、なんでそんなに優しいの？」

目「そりゃ、好きな女の子には優しくするでしょ。」

「…。」

目「まぁ俺、好きな子には意地悪したくなるタイプなんだけどね〜、ってそんな困った顔しないでよ。」


さらっと素直に自分の気持ちを、真っ直ぐ伝えてくるめめ。私もいつか言えるだろうか。


「私もさ。」

目「ん？」

「私も、誰かを好きになれたらさ。ちゃんと好きって言いたい。…と思ってる。」

目「ふふ。じゃあ俺阿部くんに負けない様に頑張んなきゃだなー。」


腕をぶんぶん回してニコニコしてるめめが、なんとも可愛かった。

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