嫌なの。 ページ19
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「ちょっと待って…阿部くんっ…!」
私の腕をいつもより強く掴んだまま、阿部くんはどんどん私の部屋に向かって進んでいく。
呼んでも返事をしてくれずに、黙ったままの阿部くん。
怒らしてしまったかと、心臓の鼓動が早くなった。
ーガチャッ
私の部屋の扉を開けて2人で中に入る。
同室のラウちゃんは、私が阿部くんの部屋に行くって言ったら、めめの部屋に行くって言ってたから、誰もいない。
阿「……ダメだよ。」
「え?」
阿「ほんっっと、ダメ。」
顔を上げて久しぶりに口を開いた阿部くんは、普段はほとんど見ることの無い少し苛立ったような、どこか悲しいようなそんな表情をしていた。
「阿部くん…?怒ってる…?」
阿「…怒ってるんじゃない。…わかんないけど。
……引っ張ってごめん。」
「ううん、気にしてない。」
阿「Aさ…。ふっかに、あんな顔見せちゃダメ。あんな声…ほんっとダメだから。」
「え?ダメって…?」
阿「ごめんやっぱ俺、今余裕ないわ。」
阿部くんから突然、ぎゅっと抱きしめられる。
今日のコンサート前にもハグしてるはずなのに、あの時とは全く違う意味を持っている気がして、心臓が高鳴る。
阿「嫌なの。俺がただただやなの。ふっかじゃなくて、俺に可愛い顔も可愛い声も見せて欲しい。そう思っちゃうんだよね…。」
「阿部くん…?」
阿「ごめんね、こないだ翔太の話聞いたばっかなのに。俺が我慢できなくなっちゃったよ。」
力なく笑う阿部くんを見て、私に向けられてる阿部くんの気持ちを、もう見て見ぬふりが出来ないと実感させられる。
いつもなら、頭を撫でられるくらいの阿部くんに、こんなに強く抱きしめられたのは初めてで、ドキッとしている自分もいる。
誰にでもこんな気持ちになるなんて、私ってほんと…。
そう思うとすごく自分が嫌いになりそうだった。
阿「Aは真面目だから、みんなの事ちゃんと考えて、答えださなきゃって思ってるでしょ。」
「…それは、、」
阿「みんな俺を見てって、アピールしてくるから戸惑うよね。ごめんね。でも俺も男だから。黙って見てるだけなんて嫌だって、さっき思った。」
そこまで話すと、私の肩を持って体を話すと真っ直ぐに私を見つめる阿部くんに思わず目をそらす。
阿部くんの顔が近づいてくるのを感じて、
思わず目を閉じた。
数秒後には私の唇に触れない、
ギリギリの所に彼の唇が触れた。
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まる子。(プロフ) - マスコットさん» 本当に温かいコメントありがとうございます😖楽しみにしてくださるマスコットさんの為にも頑張って書きますね!更新遅いですがまた読んでください♡♡ (10月27日 21時) (レス) id: 539fa4ec0c (このIDを非表示/違反報告)
マスコット - お帰りなさい!みんなでイチャイチャしていて欲しいです!誰も悲しまないで欲しいです(*^^*)楽しみにしてます!大好き (10月27日 1時) (レス) @page41 id: f0407dfffe (このIDを非表示/違反報告)
マスコット - こちらこそありがとうございます(*^^*)嬉しいです!楽しみにしてます!みんなで付き合って欲しい(笑)大好きです! (8月24日 2時) (レス) id: f0407dfffe (このIDを非表示/違反報告)
Maru(プロフ) - マスコットさん» マスコットさん♡ファンだなんて、めちゃくちゃ嬉しいです😖初めてコメント頂けたので凄く嬉しいです。イチャイチャたくさんあると思うので、これからも読んで下さると嬉しいです🫶🏻またコメント待ってます🥺 (8月24日 1時) (レス) id: 539fa4ec0c (このIDを非表示/違反報告)
マスコット - 初めまして!ファンになりました!めちゃくちゃ素敵です!面白くて大好きです!楽しみにしてます!みんなでイチャイチャずっとして欲しいです!大好きです (8月23日 15時) (レス) id: f0407dfffe (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:まる子。 | 作成日時:2023年7月3日 1時