雪のように、儚い君を。 (ページ6)

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Aside

結局あの夜、母と話し込んだのだが…

母「絶対ジャニーズがいいの…？」

A「うん！だって、可愛いアイドルじゃなくてかっこいいアイドルになりたいもん。」

この、私の''ジャニーズがいい''という強い気持ちに、母は頭を抱えていた。

そりゃそうだ。ジャニーズ事務所は女の子は入れない。
今思えば、叶えられるはずのない夢を見て目を輝かせている私を目の前にして、母は相当困っただろう。

だが、私の母は強かった。
んー、強かったのかちょっと頭のネジが外れていたのか。
昔からやっちゃえー！的な感じの所はあったが、

母「ジャニーズは男の子しか入れないから、Aは男の子にならなきゃ入れないね？？？」

A「どうやって男の子になるの？？」

母「男の子に変装して履歴書送って潜り込んじゃえ！」

…私の母、やっぱおかしいよね？笑
普通は女の子は入れないから諦めなさい！とか言われると思うんだけど、まさかの男になれば大丈夫という。。

A「それって、バレると思うんだけど…。てか、バレたら絶対怒られるよ？！」

母「怒られる時はお母さんも一緒だから大丈夫！笑」

母は、強かった。笑
だけど、こんな母が私は大好きだった。

父が病気でずっと闘病生活を送っていたが、その時からずっと明るかった。悲しい顔なんて見た事なかった。
父が亡くなった時は、私たちに隠れて泣いていたのを見たことがあるけど、私たち姉弟の前では泣かなかった。

まさか、私の無謀すぎる夢をこんなに応援してくれるなんて思ってなかったから、すごく勇気が出た。
結局、私は母と作戦を立ててジャニーズ事務所には男として履歴書を送り、ジャニーズ事務所に通い始めた

だが、そんな私の嘘も直ぐにバレた。
当たり前だ。体型が明らかに女の子だし、声も仕草も女の子そのもの。私なりに男らしくしていたつもりだったが、トイレとか着替えとか、それはそれはもうバレる要素しかなかった。