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次の日、
今日も、大学から帰る途中の桜の木に、
あの子はいた。
でも今日は、時間が遅いせいか、周りに他の学生は居なかった。
一人でベンチに座り、リュックを前で抱えている。
友達居ないのかな、
一緒に帰る人は?
とか思ったけど、僕も居ない...し、
一緒に帰れるかな、
と思い、話しかけることにした。
「もしよかったら、一緒に帰らない?」
思い切ってそう訪ねてみると、
女の人は顔をぱぁっと明るくして頷いた。
「家、どっち何ですか?」
「僕の家は、こっちだよ、」
「わぁ!一緒だ!ホントに帰れるっ」
頭の上に、
ルンルン♪という文字が見えるぐらいはしゃぐ彼女に思わず笑顔がこぼれた。
「そういえば、名前なんていうの?」
「私、ですか?えっと、如月Aです、」
「A...」
A、
その名前を聞いた瞬間、心の中が、ざわざわと揺らいだ気がした、
「私、まだ友達が居ないんです、だから、こうやって話せて嬉しいです、」
そう言って恥ずかしそうに笑うA、
「えっと、私もお名前聞いていいですか?」
「あ、ごめん、青凪ころんです、よろしくね、」
「ころんさん、ですか、」
僕が名前を言い終わると、
Aが少し目を伏せた気がした。
「大丈夫?具合悪い?」
「あ、大丈夫です、....あの、」
僕が心配すると、Aは、少し黙りこんでから、もう一度話し始めた。
「私、高校生までの記憶がないんです、」
「え、」
「怖い、ですよね、気持ち悪い...ですよね、」
切なそうな目をして、遠くを見つめる君が、4年前、初めて※Aと会った時と重なった気がした。
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愛蘭 - あのー、、マジで泣きました。 (2022年2月17日 21時) (レス) @page7 id: 05a7d51bb0 (このIDを非表示/違反報告)
美桜(プロフ) - 受検等で忙しいのはすごくよく分かるので、ゆっくりで良いので、もう1つの続編楽しみにしています。勉強頑張ってください!! (2021年12月21日 6時) (レス) @page7 id: 47d3177e83 (このIDを非表示/違反報告)
リアじゅうのだいばくはつ!(ポケモン風) - いちごchanさん» いやいやいや、その上の上の上の上の上の上の上の上の上の上の上の上の上の上の上の上の上の上の上の上の上の上の上ですよ! (2021年10月21日 19時) (レス) @page6 id: 7d59f0ef3f (このIDを非表示/違反報告)
いちごchan - めちゃくそ良い。うん。そう。神よりも上の上の上の上の・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・くらい。 (2021年10月10日 11時) (レス) @page6 id: a688d76ce4 (このIDを非表示/違反報告)
いちごchan - 頑張ってねッ!応援してるよ!また、話そーね♥️ (2021年10月5日 16時) (レス) @page4 id: 1be335d322 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:りぃむ | 作成日時:2021年10月2日 14時