生きたい私と逝きたい君。【青】

#013 ページ15

ころん ｢A...ごめん...｣




ころんくんは、そう一言だけ言うと、私やゆいなさんが止めるのよりも先に、




地面へと、身を投げた。









ころんside




僕がフェンスに手をかけた時、運悪く、後ろから声がした。




振り返ると、ずっと会いたくて、




でも会えなかったAがいた。




いつも通り車椅子に座っていたけど、




いつもの顔で、




元気だったんだね、よかった。




僕から告白したのに、何も出来なくて、




ころん ｢A...ごめん...｣




でももう嫌なんだ、




わざと笑顔を作ってそう一言だけ呟くと、僕はフェンスを潜り、身を投げた。




なぜだか知らないけど、落ちているとき、




すごくゆっくりと時間が過ぎていくように感じた。




ゆっくり目をつぶると、昔の記憶が全て蘇ってきた。




これが走馬灯、というやつだろうか、




4月の初め、まだ桜の咲いていた頃だったね、




僕は君に出会った。




すごく可愛い容姿と性格にひかれたんだ、




君はいつもマリーゴールドの側にいた。




新しいAの絵、見てみたかったな、




温かくて、優しい君の絵には、いつも笑顔を貰っていたから




そして、晴れたあの日、桜の木の下のベンチで、告白したんだよね、




最初驚いて、固まってたから、だめかも、なんて思ったけど




君からだきしめてくれたのは、今までで一番嬉しかった。




ここからは、あんまりいい思い出ないな、




Aにも会えなくなって、




家事と介護ばかりの毎日、




昔と同じ日々が、戻って来たんだ、




どうせ僕はもう、君に会うことはできない。




最後に、会えてよかった。




今みたいに、元気で、笑顔の素敵な女性になってください。




僕は、また新しい自分になって君を探しにいきます。




また逢える日まで。




ありがとう。




地面に、ドンッと鈍い音がなった。




それと同時に女の人の甲高い悲鳴、




絶対君を探しにいくから、




それまで待っててね。




僕は、ゆっくりと目を閉じた。









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なんか今回謎です(？)

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