30話 ページ31
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「ふわり！！」
私は衝動的にふわりを追いかけていた。
1人にしてあげた方がいい、そんな考えが頭に過ぎったけど、今のふわりを1人にしておけなかった。
……これが偽善、になるのかな
「なんで、あんたなん？」
「…どうゆうこと？」
「なんでこうゆう時に侑くんじゃなくてあんたが来るんやろ、あれだけ頑張っても侑くんはうちには振り向いてくれへんねや」
「ふわり？」
「うち帰るから、手、離して」
ふわりの圧に押されて私は掴んでいた手を離した。
無言で立ち去るふわりを、私は見ていることしかできなかった。
「A！ふわりは？」
「ごめん、追っかけたけどあかんかったわ」
「お前、なんで泣かへんねん」
侑の言っていることが理解できなかった。
なんで泣かないかって言われても、泣いちゃダメだって思ったし、私が泣いても何も変わらないって……
「泣けよ。こんな時にまで我慢すんなや」
「……私は大丈夫。ありがとう」
ここで泣いたら負けだ。
いつまでも侑や治に頼ってはいられない。
泣けばきっと2人は私を心配して庇ってくれる、でもそれじゃダメだ。
これは私とふわりの問題だから。
「俺はAのこと偽善者なんか思うてへんからな」
「右に同意。俺もAは悪いやつやと思ったことないで」
「そうかな、2人にはそう見えてるだけかもよ？」
「俺は分かるで」
「ツム？」
「分かるんや。ほんまに思ってくれてるんか、何かが目的で優しさを繕ってるのか…俺は何回も繕われた優しさを目にしてきた。やからAのほんまの優しさに触れて俺は、救われたんや」
「何それ、意味わかんないよ……」
あーあ、泣かないって決めてたのに。今さっき決心したとこなのに……
でもいいかな、だってこれは嬉し涙だから。
「ふわりもカッとなってしまったんやろ。あいつ多分Aの事本気で嫌いちゃうで、むしろ好きまであるやろ」
「そんな訳ないやんか」
「いや、サムの言うことも一理あるぞ、見んかったか？ふわりがお前に嫌いって言った時の表情」
「見てない、見れんかった……」
「信じられんほど辛そうな顔しとった。勢い任せに言ってもたんやろな」
「なら尚更、私はふわりともう1回向き合うべきやな」
「大丈夫なんか？」
「無理はすんなよ」
「ありがとう、行ってくる」
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理音(プロフ) - 続き気になります！侑とくっ付くのが待ち遠しいです！笑笑 更新楽しみにしています！ (2022年4月26日 2時) (
レス) id: d1bb6ccd48 (このIDを非表示/違反報告)
レ・ツ - めっちゃ面白いです。なんかふわりちゃんも宮兄弟も主人公ちゃんも辛い←これってまさかの四角関係ですか！？更新頑張って下さい！！応援してます！！！ (2020年12月31日 20時) (レス) id: e81c89c559 (このIDを非表示/違反報告)
前髪ちゃん。 - この作品も最高です (2020年10月27日 21時) (レス) id: 65741f5374 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：あやのん(=^ェ^=)
| 作成日時：2020年10月12日 22時
