六話 ページ9
「では、また。何かあったら、狂殺団本部までどうぞ。」
「こちらこそ、有難うございました。」
今度こそ男性と別れた。
彼は手を振っていたので、私はもう一度礼をした。
......しかし、狂殺団の人に会うなんて、思ってもいなかった。
開放感を味わうと、今一度溜息をつく。
子供の楽しそうな声なんて、耳にも入ってこない。
落ち着くと、私は歩き始めた。
賑やかなアトラクションが、次々に目に入る。
どれに乗ろうか、目移りしてしまう。
でも初めはやっぱり......
「ジェットコースターだよね!」
そう決心し、私はジェットコースター乗り場へ向かった。
今日は休日でもある為、長い行列が出来ている。
まあ仕方ない、最後尾に行くと、時間が経つのをひたすら待っていた。
「後40分か......」
携帯をいじったりしながら、気長に待つ。
そうでもしないと、退屈になってしまうからね。
そして、前に数歩進んだ時。
「ねえ、お姉さん」
後ろから、男性の声がした。
はじめは自分の事では無いだろう、と思い、無視していた。
「あんたの事だよ、金髪のレディ」
その数秒後、私はその声の男性に、肩を叩かれたのだ。
びっくりしながら、私は振り向いた。
同じ金髪の、若い男性が立っていた。
私は恐る恐る、口を開く。
「私ですか?」
「そうそう君だよ。......良かったら、一緒に乗らない?隣の席で。」
「え?」
これは俗に言うナンパ、か。
その男性は私を見るなり、誘いの言葉をかけた。
私は目を細くして、じっ、と見つめた。
「お断りしま……」
「賢大」
丁重に言ったはずだが、私の言葉は誰かによって遮られた。
前を向けば、その男性は、もう一方の女性に、引きずられていて。
「あ、あの......」
「済まない、この馬鹿男が......こいつは女好きなんだ。本当に悪かった……
お前も謝れ!」
「ごめんなさい......あはははは」
「笑うな!今は任務中なんだ。行動を謹め!」
そして、その二人は、去っていった。
私は、二人の背中を眺め続けるだけだった。
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フーちゃん - 北宮ミイさん» うん☆ウチも頑張るよ! (2015年7月25日 17時) (レス) id: b07d082b66 (このIDを非表示/違反報告)
北宮ミイ(プロフ) - フーちゃんさん» ありがとうございます!まさかコメントが貰えるとは!嬉しいです。本当に有難うございます!更新頑張ります。 (2015年7月25日 8時) (レス) id: 8eb92e605c (このIDを非表示/違反報告)
フーちゃん - こんばんは☆同じイベントに参加している者でーす!面白そうだったから、読まさせてもらったんですけど、色々とクオリティが高くて凄かったです!!応援してまーす♪ (2015年7月24日 23時) (レス) id: b07d082b66 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:北宮ミイ | 作成日時:2015年7月21日 12時