分断 ページ20
そうだ。いくら入中さんがこの地下そのものを操って迷宮化させてるとはいっても、その迷宮の壁を無条件で透過して進めるミリオ先輩は防ぎようがない。
先輩は誰より早く、彼らに追いつくだろう。
そして……。
『……ッ早く、行かないと』
私は彼の未来を知っている。
と、その時。隣にいるもう一人の先輩が目に入った。
少し俯いて、拳を握りしめている。
『あー……天喰先輩。その、こんなこと言ってもどうしようもないですけど……周りには、貴方を助けてくれる人がたくさんいます。だから、みんなで一緒に頑張りましょう』
やや下を向いている彼の目を見て話す。
そう、君は“
君には無限の可能性がある。
初めて本の向こうで貴方を見た時から、そう思い続けている。
にこり、と笑って軽く手に触れると、彼は驚いたように僅かに瞳を揺らした後、真っ直ぐ前を向いた。
天喰「……うん、うん。ミリオが頑張ろうとしてる……君も。なら、俺がすべきことは……」
……大丈夫そうだな。
なんとか立て直した様子の先輩から視線を外して、壁を見る。
そして、ピト、と壁に手をつけた。
…………。
『(“無効化”が効かない……。本体に触れなきゃダメか)』
太宰の“人間失格”は不発に終わった。
彼の個性の性質なのか、はたまた無理なブーストの副産物なのかは判断しかねる。
運が良ければこの迷宮を簡単に突破出来たんだけど。
その時。
突然、全身が浮遊感に包まれた。
『ぅ、え！？』
バッと下を向くと、私たちを飲み込んでしまうような、大きな大きな穴が空いていた。
『(まずい、落ちる…！)……ッ重力操……』
太宰《落ち着きなよ、A。下をしっかり見てご覧》
……下？
一瞬。目を見開いて。
確実に下を捉えられるように目を凝らした。
……これ、あんまり高くない。
スタッと軽い音を立てて着地した。
落ちたのは約一階層分。落下死するような高さではない。
私は重力操作をやめ、このまま落ちることを選択した。
この程度の距離なら、皆と離れ離れになる方が危険だ。それにあの一瞬で他の人達に触れて、落ちないようにするのは不可能だと思う。
『とは、言うものの』
上……今まで私たちがいた方向を見ると、もう穴は無かった。早々に入中さんが閉じてしまったようだ。
……どうやら、後ろに続いていた警官隊と、分断されてしまったらしい。
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れん - とてもこのお話が好きです！これからも続きを楽しみに待っています(*´∇｀*) (12月19日 19時) (
レス) @page31 id: 3df412bb1a (このIDを非表示/違反報告)
奥山乃愛(プロフ) - いきなりすみません🙇出来たら全員のキャラに愛されたいです！（恋愛的に）あと落ちは出来れば全員落ちみたいなのが見てみたいです！無理せずに頑張ってくださいね！ (2023年1月16日 16時) (レス) id: fdc1778b4b (このIDを非表示/違反報告)
ほほえみ(プロフ) - ザイさん» コメントありがとうございます！なんか太宰さんが一番絡ませやすいんですよね……それはそうと太宰治はイケメン、この世の真理ですよね… (2022年9月21日 22時) (レス) id: 3fcb2fb2e7 (このIDを非表示/違反報告)
ほほえみ(プロフ) - 奥山乃愛さん» コメントありがとうございます！サーめちゃくちゃかっこいいですよね……(噛み締め) (2022年9月21日 22時) (レス) id: 3fcb2fb2e7 (このIDを非表示/違反報告)
ザイ(プロフ) - 太宰さん…………イケメンすぎて私の心臓が吹っ飛びそう………。 (2022年9月19日 23時) (レス) @page9 id: 699f0917a9 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ほほえみ | 作成日時：2020年11月5日 23時
