個性“文豪ストレイドッグス”の転生少女はどこまでも自由みたいです (ページ22)

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ぐるぐるページ22

壊理「知ってたの……？」

『うん、ごめんね……本当にごめんね』

ぎゅう、と抱きしめると、壊理ちゃんが「ううん」と呟く。

壊理「お姉ちゃんはわるくないよ。それにね、わたし。お姉ちゃんが会いにきてくれるって思ったら、痛いのもがまんできるんだよ」

その言葉に、また涙が出てきそうになった。
ああ、こんなに良い子なのに。

外を知らずにこんな場所にいるなんて。

やっぱり、ダメなんだ。

『……絶対に、ここから出すからッ』

クロノはもう部屋にいなかった。気を利かせて出てくれたんだろう。

壊理「……お姉ちゃん…」

『ごめん…“お姉ちゃん”が泣いてちゃダメだもんね』

ニコッと笑ってカバンの中を漁る。……あった。

『はい、これ』

ぽん、と壊理ちゃんの手のひらに“あるもの”を乗せた。

壊理「……ぬいぐるみ？」

『えへへ、手作りなんだあ……下手くそでごめんね』

裁縫とか、そういうの苦手なんだよね……。
かなり不恰好なうさぎのぬいぐるみを見ながら思う。酷い出来だ。

最近作ったけど、何回も自分の指針で刺しちゃって……今でも人差し指に絆創膏が貼ってある。

壊理「お姉ちゃんが作ったの……？すごい……大切にするね！」

キラキラと不細工うさぎを見つめながら言う壊理ちゃん。そんなに良いものじゃないんだけど……。

喜んでもらえたなら、よかった。

『私、今日はそんなに長くいられないから……残った時間でいっぱい遊ぼうか！』

壊理「うんっ」

～～～～～～～～～～～

『……じゃあ、帰るね』

玄野「はい」

壊理ちゃんとめいっぱい遊んだ後、私は組の裏口にいた。

入り口から入ったけど、その時は誰もいなかったからで。今はヒーローが張り付いていた。

見つかるといろいろ面倒だから。

『またね』

そう言って私は組の外に出た。

帰り道でぐるぐると考え事をする。

壊理ちゃん、どうしたらいいのだろうか。

あそこから出してあげたい。

実験をやめさせたい。

……私、さっき“救いたい”って思ったんだよね。

壊理ちゃんも、廻も。
敵連合の皆だって。

その他の人たちだって。

ああ、私はやっぱり傲慢だ。