個性“文豪ストレイドッグス”の転生少女はどこまでも自由みたいです (ページ20)

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死穢八斎會ページ20

『はいはいはいはい文郷です開けなさい』

ドンドンドンと扉を叩きまくる。
死穢八斎會の入り口のドアだ。

ガチャ

玄野「っるさいですね！！」

『あ、開いた』

飛び出してきたのはクロノだった。いつ見ても白い。

玄野「……ああ、久しぶりですね」

『うん。ちょっと話があるんだけど、廻は呼べる？』

玄野「……案内しますよ」

『ありがと』

ガチャリと扉が開いた。部屋の中にいるのは、オーバーホールこと治崎廻。

マグ姉を殺した、張本人だ。

治崎「A。久しぶりだな」

『……うん、そうだね。でも、今は話したいの、ごめんね』

ツカツカと廻の座っているデスクに近づき、目の前に立つ。

『敵連合と、接触したよね？』

治崎「……何故お前が知っているんだ？」

『私は、連合とも“友達”だから。マグ姉を……人を、殺したでしょ？』

沈黙が続く。
別に、謝って欲しいとか。そういうのを求めて来たんじゃない。ただ、確認したかった。本当に廻が殺したこと。それに、少し話したかった。

もうひとつあるけど、それはまた後で。

治崎「……ああ、殺した」

『………………』

分かってはいたことだけど。やっぱり痛いなあ。

玄野「……Aは、それでどうするんです？」

『別に。それが聞けたらじゅうぶんだよ。謝って欲しいとかじゃないし』

はあ、と溜息をつく。
過ぎたことだと割り切ることは出来ない。でも、もう私にはどうすることも出来ない。マグ姉は帰ってこないんだし。

『……ただ、悲しいだけ』

治崎「…………」

『……うんっ、話変えるねっ！壊理ちゃんに会いたいんだけど……』

玄野「ああ、それなら……付いて来てください」

『うん』

そう言ってデスクから離れる。

ガシッ

『っ！？』

グイッと手を引かれた。そのままよろけて、いつの間にか立ち上がっていた廻にぶつかる。

治崎「俺は、お前に嫌われたか？」

少し、苦しそうだった。

『……嫌わないよ、大丈夫』

治崎「…………」

ギュウ、とされる。んー、どうした。
廻はどこか不安そうな顔で私を見たあと、私を離した。

言ってしまおう。

『……ねえ、壊理ちゃんの件……やめるつもりはない？』

治崎「……何故知っているかはもう問わないが……やめるつもりはない。こればかりは譲れない。俺は、やらなくてはならないんだ」

『……壊理ちゃん、苦しそうだよ』

治崎「譲らないと言ったはずだ」

『っ……でも、でも！絶対、ダメだよこんなのっ！』