個性“文豪ストレイドッグス”の転生少女はどこまでも自由みたいです (ページ14)

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自分を褒める、虚しくなるページ14

タンッ、とその場から離れる。

ミリオ先輩が沈んだのを確認したからだ。

……！！来た！！

思いっきり飛び上がると、さっきまでいたその場所に、ミリオ先輩が現れた。
あっぶなかったー！！！

通形「ムムッ！」

『隙だらけですよ、せーんぱいっ！！』

そのまま足を振り上げ、ミリオ先輩めがけて蹴りを繰り出す。

彼は軽く身構えた程度で、きっと私の攻撃を透過する気なんだろう。

んー、でーもー！

“人間失格”

ドスッ！！！

通形「！！」

私の攻撃は見事に命中。彼は一瞬目が揺らいだけれど、すぐに飛びのいて私から距離を取った。

良い判断だな。

通形「……無効化されちゃうか！」

『ご名答です！』

パチパチと手を叩いてみる。あっ、今ちょっと手がズレて痛かった……私拍手下手か。

通形「あまり個性は効かなさそうだね」

『ふふん！私に触ったらアウトですよ！』

ドヤァ、としてみせる。
あー、今日も私強いね！わぁい！！

……思ったんだけどさ。自分を強いって褒めるのって……なんか……虚しいね……。

『あっ』

気づいたら彼はもういなくなっていた。ヤバい、いつ沈んだ？

急いでその場から離れようと飛び上がると、その瞬間私の真下に出てきた。ひえっ……。

『びッッくりしたああ！！“夜叉白雪”ぃぃ！！』

急いで夜叉を呼び出し、私と先輩の間に現す。
夜叉に【人間失格】を付け加えるのもいいけれど……個人的にあまりしたくない。アレは体力の消耗が酷いし、すぐキャパオーバーしちゃうから。

そのあたりは、異能が他の異能と相性が悪いのか……もしくは、一人一人の異能自体を尊重するべきだからなのか。

うーん、上手く言語化するのは難しいんだけど……まあ、とにかく。出来なくはないけど恐ろしく燃費が悪いのさ。

入試の時は、ふつうに死ぬほど頑張った。気力でやりきった。だからその後は泥の様に眠りました、まる。

ミリオ先輩は私が“無効化”持ってるのは知ってるし、私が出した夜叉白雪にも無効化があると考える可能性が大きい。

だから……

通形「！」

案の定、グン、と身体を倒して夜叉を避ける。

『態勢崩れてますよ！』

ガッとミリオ先輩の腕をつかみ、【人間失格】を発動する。そのまま【汚れつちまつた悲しみに】の重力の力で地面に押し付ける。

うつ伏せになったミリオ先輩の背中に腕を掴んだまま馬乗りになる。

『……個性は発動できない、重力で態勢を変えられない……どうです？先輩』