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思わぬ再会 part10 ページ36

エレーナside






エ「江戸川A」



どこかで聞いたことのある名前だと思っていたわ。


Aに会わなかったらこれからも思い出すことはなかったわ。




エ「六年前に貴女と会ったわね。覚えているか分からないけど」




Aは覚えていないでしょうね。


なんせ、あの時は赤ちゃんだったもの。




エ「自分が化け物だとあの子らを納得させたのは偽物の青い血だけでは無いでしょう?

明美は頑固な現実主義(リアリスト)なのよ。私に似てね。
零くんも歳の割にはとても賢い子よ?

なにか誤魔化し用の無い、決定的な証拠があるはず…。


そう、例えば"生まれつきある痣"とかね」




私はAのTシャツを断りなくめくった。



…ほら、予想通り。


Aの脇腹に、六年前にどんな形か頭に思い浮かべられるくらい見た青い痣があった。



変わらず人工的にも見える不気味な痣だった。






『なっ…』




Aは驚いたように声をだした。


先程の威圧的ともいえる大きく、部屋に浸透するような声ではなかった。



『…なんでわかったんダ?』

エ「…ん?」




え?





エ「"なんでわかった"って…貴女、覚えていたの?」

『…ア』

エ「貴女、あの時赤ちゃんだったのに、私のこと覚えているの?」









『…』


エ「…」





スク…



Aは静かに立ち上がった。





『…』



そのまま無言でドアまで歩くA。




『失礼しました』


ヒュンッ


エ「逃さないわよ」

『ウワッ!しゅ、瞬間移動っ!?』

エ「人間、やろうと思えばなんでも出来るわよ」

『人間はちょいと進化し過ぎたようだネ』




Aのあの威圧感は何だったんだろう。



今はそんなもの、見る影も無かった。



敬語も抜けて普通の子供みたいだ。




エ「もう誤魔化せないわ。私が納得いくような説明、お願いできるかしら?」

『…ムゥ』

エ「…」



困った

そう言う風に眉毛をハの字にするA。



エ「…秘密は守るわ。
それこそ嘘みたいな話も信じることを誓う。
それに貴女が困れば助けることも出来る。

だから…」



『フゥ…困ったものだネ。
昔っから、かわい子チャンのお願いは断れないタチなんダ』



私が言い切るのを待たずに切り出したA。


"困ったものだ"というのは自分の性格について言ったらしい。



『マ、君にならいいカナ』



『私は、転生したんダ』

エ「…は?」

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緋村 - 続き気になりすぎて夜しか寝れません!!!更新待ってます! (2022年6月29日 18時) (レス) @page40 id: 5a52c0f3ec (このIDを非表示/違反報告)
とろける林檎(プロフ) - はぁい∩^ω^∩ (2021年6月20日 12時) (レス) id: 1d1d599dda (このIDを非表示/違反報告)
小狐(プロフ) - お疲れ様でした! 楽しみにしています。 (2021年2月25日 19時) (レス) id: 21c3761e82 (このIDを非表示/違反報告)
ミキノ・乃 - ぬるっふふふふふふん…ふ?ぬるぬんふふん (2020年12月29日 11時) (レス) id: 52eecb6e47 (このIDを非表示/違反報告)
こばこ - ぬるぬんふふんぬるふん! (2020年9月4日 4時) (レス) id: e9c9f43ee9 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:とろける林檎 | 作成日時:2020年5月8日 15時

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