悪いが君たち、私は洋酒は好かないんだ［名探偵コナン］

思わぬ再会　part8 ページ34

エレナside


『そこで傷ついた男の子を救ったのが"嘘"です！

『便利ですヨネー嘘というのは。汎用性(はんようせい)高くて扱いやすいです。

『私が吐いた嘘はマァ"男の子と仲間"という感じのモノ。

『"人と違う"ことを思い悩む男の子の気持ちを和らげるには誂え向き(あつらえむき)でしょう？

『マ、青い血が流れる恐ろしい妖怪という設定は少々無理があったが…彼が純粋なのと実際に見せたことが効いたんでしょう』



エ「ちょっと待って、"実際に見せた"ですって？」

『ア』



あちゃー
と額に手を当ててあからさまに"やっちゃった"感を出すあの子。


先程まで強キャラな雰囲気を出していたのにいっきに台無しになった。




『エー…説明面倒です…』

エ「貴方には既に私に逆らえる身じゃないわ。さっさと全部吐いちゃいなさい」

『アレ私知らず知らずの内に生殺与奪の権を握られてしまったのかナ？』



『イヤ、面倒だと言いましたが実に単純な話です。
青い血もどきを吐いたんですヨ』



既に話についていけない。



エ「"青い血もどき"？」

『ソウ。青い血もどき。

その時絵を描こうとたまたま絵の具を持っていましたのでソレを使いました。
手順は、

青い絵の具を口に含む。

水筒の中身を絵の具よりほんの少し多いくらい口に含む。ほんとうに少し多いくらい。
血はドロドロしているから水分が多いとただの色水になってしまいますのでネ。

そのまま会話して、

自然な流れに持っていき、

吐く。

以上』

エ「貴女まさかツッコミ所の群生地…？」



いけない、謎の女の子に会った影響で意味わからないパワーワードを生み出してしまった。


あながち間違ってないけど。




エ「質問いい？」

『質問に質問を重ねていくスタイルかい？どうぞ』

エ「まず医者として聞くけど体に異常は？」

『無いです！お気遣いありがとうございます』

エ「貴女これまで何回嘘吐いたの？」

『数え切れないほど』

エ「絵の具がなかったらどうしたの？」

『その辺の雑草を体から生えるように見せて

"私は地球と一体化している。その気になれば地を引き裂く地震や空を唸(うな)さる火山を起こせる"

とでも言いますネ』




ノンストップ、ノンブレスで言いやがったわこの子。

しかも物語性が合って子供騙しになり、その場に順応した嘘を。

凄いけど引くわね。


どんだけ嘘を吐いて吐きなれてしまったらこうなるのかしら？



興味はあるけど理解したくないわね。

思わぬ再会　part9→←思わぬ再会　part7

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す