好きや ページ19
［すばるside］
「……何？」
スタジオを出て、通路を少し歩いたとこで、安の足が止まった。
「え、え〜… な、何、てお前…(笑)」
重い空気は嫌やな思たけど、安の硬い表情からは明るい感じにはなれそうもない。
「何、て… お前やろ」
「は？」
「お前やろ。おかしいの」
「はっ… 何言うとんねん」
安が壁際の長椅子にどかっと座る。
「渋やんが顔貸せ言うたんやんか」
そらそうや。
呼び出したんは、俺や。
「お前が…俺に怒っとるから」
「渋やんの音が外れとったから」
「外れてへんわ。お前の方がおかしいやろ。
亮も言うとったやないか」
「っ……！」
安が歯をくいしばる。
「音がどうこうちゃうやろ…
何か… 俺に言いたい事あるんちゃうんか」
「……」
核心をついて見た。
安が俺から目をそらした。けど、
「渋やんが…」
「ん？」
「渋やんが……
Aとべったりしとるから……」
安が言葉を選びながら喋る。
「え… 俺が？」
聞くと、俺を見て頷いた。
「え、俺…
別にべったりなんか…」
「しとるって」
安が遮る。
「さっき、Aが学校来た時かて抱きついとったし。
ここへ来る途中も、ずっとや」
俺はポカンとしとった。
そして、思い出そうとする。
……
確かに、学校でAを目の前にした時は、顔見れたんが嬉しかって……
JAMへ来る途中は…
あまり考えてなかったけど、そばにおったと思う。
で、今……
え、けど別に、そないとやかく言われる事ちゃうやん。
なんでそんな事、安が俺に怒って……
考えて、安の気持ちが見えた気がした。
安を見ると、俺に何か気づいてほしそうな顔しとって。
「安……
お前… まさか…」
言うたら安が下を向く。
「え、お前… Aの事…？」
「そうや」
安が勢いよく顔上げて、俺を見た。
「好きや。俺」
安がまっすぐ俺を見つめる。
「Aを…
誰にも渡したくない」
安の言葉が俺の胸を刺す。
まっすぐ俺を見て言い放った安は、今この瞬間でこの世の、どんな奴より強く見えた。
安がめぐみちゃんに振られて。
落ち込んで、どうしようもなくて。
元気になればええな思てた。
せやけど……
Aの事に関しては。
俺も譲れへんもんがあって……
「そうか、安… せやけど…」
何て言うてええかわからんけど、何か言いかけた時。
スタジオから歌声が聞こえてきて振り返る。
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ゆんゆん(プロフ) - mさん» ありがとうございます！楽しんでいただけたようで嬉しいです！忙しくてなかなか進みませんが、更新頑張ります！ (2019年12月5日 16時) (
レス) id: 9d9e7bb478 (このIDを非表示/違反報告)
m - 昨日今日にかけて一気に読ませて頂きました！おもしろくてついつい読んでしまいました！忙しい中と思いますがまた更新楽しみにしています！よろしくお願いします！ (2019年12月5日 12時) (レス) id: c69e6b424d (このIDを非表示/違反報告)
ゆんゆん(プロフ) - Gなさん» こちらこそ、ありがとうございます！これからもよろしくお願いします！ (2018年4月23日 17時) (レス) id: 965d5a965b (このIDを非表示/違反報告)
Gな(プロフ) - ありがとうございます。 (2018年4月23日 17時) (レス) id: a5ab956501 (このIDを非表示/違反報告)
ゆんゆん(プロフ) - Gなさん» ありがとうございます！お待たせしております(^^; ノロノロですが、応援よろしくお願いします！ (2018年3月30日 15時) (レス) id: 67d329f0ba (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ゆんゆん
| 作成日時：2016年10月5日 15時
